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まるで“純正律”。6位のまま突き進むバファローズ、後半戦をどう楽しむべきか

文春野球コラム ペナントレース2019

2019/08/03
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山本が山岡が、吉田が中川が織りなす至極のアンサンブル

 しかし何より今年のバファローズに欲しいタイトル、それはズバリ新人王だ。一応はチームの若返りに成功したと言える2019オリックス・バファローズ。そのもどかしかった産みの苦しみも、新人王タイトルを誰かが獲得して初めて報われる。それにチームが大幅に若返りをした為、有資格者も多数チームに存在する。今年こそ新人王をチームから輩出するべきなのだ。前半戦はそれこそ榊原翼にも大きく期待できる状況だったが、彼が離脱した現在で最有力となったのが何といっても交流戦首位打者を獲得した中川圭太ではないだろうか。ライバルはズバリ福岡ソフトバンクの高橋礼、それに甲斐野の若鷹コンビとなってくるだろう。

 ここまで9勝の高橋はやや調子を落としてはいるものの、10勝目をあげればタイトルに大きく前進する。そうなれば「10勝投手」に引けを取らない成績、野手ならば「3割バッター」というのが絶対条件になるだろう。規定打席を越えての3割到達は、新人選手にしてはかなりハードルが高い数字といえるだろうが、現在の中川の打率は.286。規定打席まで約40打席ほど未達である為なかなかの難関であると思われるが、「最後まで諦めない」がプロ野球チームの合言葉である以上こちらも最後まで狙い切って欲しいところだ。いっそ最後まで少しでも打席が回ってくる「1番・中川」でオーダーを固定してくれても良いくらいだ。

 ここまで見事に純正律、いや「6位固定の状況」を奏で続ける我らがオリックス・バファローズ。断っておくがアンサンブルは平均律で奏でれば良いんだよ。山本が山岡が、吉田が中川が織りなす周波数の揺らぎが至極のアンサンブルを奏でる事を願いながら、8月の攻勢を期待したい。

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