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「今だったら橋下徹や小室圭と対談してみたい」

―― 最終回では、「『TOKYO裁判』は冷戦構造の産物だった」という発言もありますが、今ならまた別のかたちでできるんじゃないですか?

デーブ 今こそ復活すべきですよ。「TOKYO裁判Ⅱ」ってタイトルにして。今はデジタルもあるから、動画撮影してもいいよね。呼びたい人はいっぱいいるよ。橋下徹とか、小室圭とか。

―― ぜひ読みたいです。連載は1992年10月に終了していますが、そのすぐ後に大阪の被差別部落を訪問していますよね。きっかけは何だったんですか?

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デーブ あれは野坂昭如さんから1回行った方がいいよと言われたから。分からないでしゃべるよりは、1回見た方がいいじゃない。

 

―― 雑誌やテレビの企画で行ったわけではないんですね。

デーブ いやいや、自分の勉強のために行ったんです。1回講演もしたし、講演料の代わりに差別問題についての本を100冊くらいもらった覚えがあります。

―― 差別問題で言えば、2000年に起きた石原慎太郎さんの「三国人」発言のとき、抗議の記者会見に出てますよね。

デーブ 行きました。「来る?」って言われたからね。

 

「いつかアメリカに帰る?」

―― 日本で「外人」として見られてきたデーブさんは、日本の人権問題に対して、独自な目線をお持ちかと思うのですが、再来日からの36年間で変化を感じることはありますか?

デーブ 人権は、自分だけにあればいいなあって(笑)。冗談です。でも、人権は、いろんな意味で良くなってきてるんじゃないですか。NHK Eテレの『ハートネットTV』の影響力もありますね。あれは立派です。あと、『クローズアップ現代』もそう。やっぱりNHKがやると違いますよ。政治家も無視できないから。

―― デーブさんは、いつかアメリカに帰ろうとの思いはあるんですか?

デーブ もう、ないですね。トランプ大統領になってから、戻らないと決めた人は多いんじゃない?(笑)。アメリカにも良いところはあるけど、犯罪も多いしね。

 

―― 逆に、帰化しようと思ったことは?

デーブ アメリカの税金を払うのが面倒くさくて、帰化する人は多いですよ。日本に定住してるアメリカ人は、二重に税金払ってる。お金もかかるし、申告も大変。でも、僕の場合は、帰化したら選挙の誘いが増えそうだからね。あと、相撲部屋を持ちたくなっちゃう(笑)。

―― たしかに、デーブさんには各党からの出馬要請がありそうですもんね。今日は、いろいろと意外な一面も見せていただき、ありがとうございました。

デーブ 明日は、大きな芸能界のスキャンダルは出ないの?そっか、『文春』はもっとイケイケでやってもいいと思うよ。オンラインがあるんだから、雑誌には載せないネタもバンバン出せばいい。楽しみにしてます。それじゃあ、外は危ないから、しんちょうに帰ってね(笑)。

#1 デーブ・スペクターが語る「吉本騒動とテレビの危機」

 

写真=杉山秀樹/文藝春秋