1983年に来日して36年。外国人タレントとして活躍し続けてきたデーブ・スペクターさん。「今のテレビはみんな遠慮して面白くない」と訴え、「テレビが好きだからあえて厳しく」批判してくれました。聞き手は演劇史研究者の笹山敬輔さんです。(全3回の1回目/#2、#3に続く)
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「テレビについて書いてるネット記事なんてレベル低いよ」
デーブ 明日発売の『週刊文春』の早刷りは持ってきた?
―― 持ってきてないです。すみません。
デーブ 雑誌を発売の前日に読むのが楽しみなんですよ。もう生きがいです。でも、最近はオンラインの記事が出て、発売前にみんな知っちゃってるから、自慢できない。あれ、やめてほしいですよ(笑)。
―― 『週刊文春』のスクープも、前日の夕方にはYahoo!ニュースでも流れてますからね。雑誌はすみずみまでチェックしてるんですか?
デーブ 『週刊文春』と『週刊新潮』と『フライデー』は必ずね(笑)。あとは『東スポ』と『日刊ゲンダイ』も読んでます。もう「東スポ病」ってくらいの『東スポ』好き。むしろ読むより出たいよね。昔は、『噂の真相』というすごい雑誌もあったんだけど。
―― 2004年に休刊してから15年が経ちますね。
デーブ あれがなくなってから、芸能界はやりたい放題になって、つまらないですよ。みんな一方的に好き勝手な発信をして、誰も中身を疑わない。テレビについて書いてるネット記事なんてレベル低いよ。ジャニーさんが入院したとき、直後に死亡説を流したネットメディアがあったでしょ。メディア・リテラシーっていう言葉すら知らないサイトが多いよね。
「お前が打たなきゃ誰が打つ」ってASKAの話だと思った(笑)
―― たしかに、何の検証もしてないネット記事が増えてますね。デーブさんが来日してから、日本のメディアの状況も変わってきたと思いますが、現状をどう見てますか?
デーブ 今は、みんな遠慮しちゃって面白くないですよ。今日のニュースだと、話題になった中日ドラゴンズの応援歌「お前が打たなきゃ誰が打つ」って、僕はASKAの話だと思った(笑)。こういうことも、自粛モードで誰も言わないじゃない。テレビも雑誌もマンネリ化しちゃって、自由な場でなくなってきてる。
―― そんな中でも、デーブさんは30年以上にわたってテレビの第一線で活躍されています。今日はその秘訣をお聞きしたいです。
デーブ 一つには、闇営業をやってないから(笑)。もう一つは、なるべく人がやらないことをやってきたことです。Twitterも、今はフォロワーが175万人くらいかな。ほぼ全部ダジャレです。そんなの誰もやってないでしょ。あと、フェイクニュースも書いてます。速報じゃないのに、速報って打ち出して。
―― 今日の速報は、「【速報】丸山穂高議員が次回選挙で自由飲酒党から立候補を検討へ」ですね(笑)。
デーブ そういうのをずっとやってます。おかげさまで、「芸能人・有名人ランキング」では15位かな。総合でも安倍総理より上なんで。恐縮ですが。有吉を抜くのはあきらめてるけど、渡辺直美とベッキーは抜きたいね。どっちかのスキャンダルを期待してるんです(笑)。