元号が令和に変わり、初の終戦記念日を迎える。終戦から74年。戦争体験者は減り、戦後生まれの人口はすでに8割を超える。
文春オンラインでは、現役大学生100人に「戦争」についてのアンケートを実施。前回は「太平洋戦争の体験者から当時の経験を直接聞いたことがありますか」で「はい」が41%、「日本は今後30年の間に戦争に参加する可能性があると思いますか」で「はい」が23%、という結果を紹介した。
今回は大学生たちにとって「太平洋戦争」のイメージを作ったのはどんな作品なのか、アンケート結果から見ていきたい。(全2回の2回目/#1から続く)
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過半数の票を集めた「火垂るの墓」
大学生には「あなたの中で太平洋戦争のイメージを作った本や映画・テレビ番組はありますか」という質問をし、「硫黄島からの手紙」「永遠の0」「この世界の片隅に」「ちいちゃんのかげおくり」「特攻の島」「日本のいちばん長い日」「野火」「はだしのゲン」「ひろしまのピカ」「火垂るの墓」「その他」から選択してもらった(複数可)。
1位は55票を集めた「火垂るの墓」だった。1967年に発表された、野坂昭如の短編小説。戦火の下、親を亡くした兄と妹が終戦前後の混乱の中を必死で生き抜こうとするも、悲劇的な死を迎えていく姿を描く。1988年に同名のアニメ映画(監督・脚本高畑勲)が公開された。
2位は「はだしのゲン」と「永遠の0」が40票で並んだ。「はだしのゲン」は、漫画家・中沢啓治による、広島での被爆体験を元にした自伝的漫画。「永遠の0」は百田尚樹の作家デビュー作。2013年に実写映画が公開されている。特攻として戦死した祖父の実像を探るストーリーだ。
4位には「硫黄島からの手紙」(38票)が入った。2006年に公開されたクリント・イーストウッド監督作品。「父親たちの星条旗」と合わせ、太平洋戦争における硫黄島の戦いを日米双方の視点から描いた。
5位は「ちいちゃんのかげおくり」(29票)。空襲に遭う女の子の童話作品で一部の国語の教科書にも載っていた。6位は「この世界の片隅に」(17票)。こうの史代の同名漫画を原作に2016年に公開されたアニメ映画。呉に嫁いだ主人公が、戦時下の困難のなか、工夫を凝らして豊かに生きる姿を描く。
では1位~6位の作品について、大学生から寄せられた感想を紹介していこう。