最近結婚した27歳の知人は、転職活動で大変厳しい現実を目の当たりにした、と言います。転職サイトに「27歳/既婚/女性」と登録すると、今までは通っていた書類の審査がパタッと通らなくなり、ようやくこぎつけた面接では必ず「お子さんの予定は?」と聞かれ、どこの企業からもほとんど相手にしてもらえないようでした。彼女は私に「日本で女が仕事を頑張ろうと思ったって、潰されるだけ」と悔しさを吐露しました。

 日本政府が「女性の社会進出」において革新的であるように見せている一方で、実は未だに男性の育児休暇取得率は5.14%(厚生労働省「平成29年度雇用均等基本調査」)であり、女性は出産後の復職はおろか、たとえ子どもがいなくても、「適齢期」だというだけで就職に不利になってしまう。そんな実情は間違いなく存在します。

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 私たちは、日本に対してたくさんの「違和感」を持っています。その一例が、国内における男女格差であり、あまりに低い労働生産性です。

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「保育園落ちた日本死ね」の頃から、この国は何か変わったでしょうか。日本は一体いつまで、ハリボテでできた「理想的国家」を演じ続けるのでしょうか。

日本の男女格差指数は、G7で最下位

 昨年の12月18日、世界経済フォーラム(WEF)による男女格差の度合いを示す「ジェンダー・ギャップ指数」の2018年版が発表されました。

 この指数は経済、教育、健康、政治の4分野14項目のデータを元に、世界各国の男女格差を指数により表したものです。今回調査対象となった149ヵ国のうち、日本の順位は110位。G7(主要7カ国)では最下位、という結果でした。

 この指数により「日本は男女平等において、相対的に途上国である」と評価されたわけですが、「ジェンダー・ギャップ指数」をはじめ、昨今の日本国内における諸々の動向を鑑みて「あれ、なんだか今まで聞いてた話と違うじゃん」と思う人は、私以外にも多くいるのではないかと思うのです。

 これまで数十年間にわたって、国内では一般的に「日本は男女平等を実現している国家」「日本は先進国だ」という共通認識がある程度あったように思いますが、近年、急速な経済成長を遂げ、人権意識が大きく変化していく国々を尻目に「日本絶対先進国論」を盲信するには、さすがに無理があるように思えてなりません。私たちはいよいよ、この概念を改めなければ国自体がどうにもならない局面を迎えていると思うのです。