従業員サービスについては「褒め言葉」を重視しよう
従業員サービスはどうだろうか。「笑顔がない」「道を聞いたのにわからなかった」など、口コミサイトには様々な指摘があるが、私はサービスについてはむしろ「褒め言葉」を重視する。
「従業員がいつも笑顔だ」「雨の日に傘をさしかけてくれた」「暑い日のチェックインでおしぼりをくれた」などといった一見些細に思える指摘であっても、複数の宿泊客からプラス評価をされている場合は、おおいに評価したい。
なぜなら、人は悪口を言うことは得意だが、褒めることをわざわざ投稿するのは「余程の感激」があったのだと思うからだ。悪口、苦言はどうしてもエスカレートしがちだ。それに対して「わざわざ」の褒め言葉は貴重なものなのだ。
サイトではホテルからの返信も要チェック!
こうした悪口と褒め言葉を一定のスパンでチェックすることでおおよそのホテルの評判はわかる。ただ、口コミでの評判をあまり信用しすぎないことも肝心だ。口コミの裏には数多くの「普通にすごせてよかった」と思っている利用客も、あるいは「二度と来るものか」と呆れて投稿することもなく立ち去っている利用客も多数存在するからだ。
サイト上では利用客の口コミばかりに目が行きがちだが、ホテルからの返信も実はチェックすべきポイントだ。各ホテルの口コミをチェックすると、毎日の投稿に実に丁寧に応対しているホテルがある。利用客の細かな指摘に対して、きめ細やかに対応するホテルは、それだけ従業員教育にも力を入れていることが窺える。杓子定規な応答のものも結構あるが、なかには真剣に検討し、指摘された項目の改善に全力で努めるホテルがあるのだ。
「インターネットのつながりが悪い」という投稿を受け……
これは、私がリニューアルのお手伝いをしたあるホテルの話だ。そのホテルはすでに築20数年が経過していたので、全面的にリニューアルを行って新装オープンした。以前は施設の老朽化が災いして宿泊客の評判もイマイチだったが、今回は設備も全面刷新、地元でも評判となり颯爽たる船出となった。
ところがオープン後まもなく、設備仕様の良さを絶賛する口コミの中に次のような指摘があった。
「多くの方から設備仕様が良いと口コミで指摘されている。サービスを含めて私もとても気に入っているのだが、ひとつだけ気に入らないのがインターネットのつながりが悪いことだ」