最近の日本人はどんなことでもまずネットで教えを請うようになった。以前はわからない単語があれば、国語辞書や英和辞書でその意味をチェックしたのと同様に、今は何をするのでもまずは「Google先生教えて!」となる。
どこかにご飯を食べに行くときもまずはネットで検索だ。たとえば「食べログ」でエリア、食事のジャンル、予算を設定。いくつかのお店に絞り込んだうえで、一番のチェックポイントとなるのが「口コミ」だ。
ホテルも口コミで判断される時代
食事は個人によって相当「好み」が分かれるはずなのであまりネットの評判だけを頼りにするのもどうかと思われるが、この口コミの威力は絶大だ。「隠れた名店」や「幻の料理」など、ネットに出た瞬間でもう隠れてもいないし、幻でもないのだろうが、口コミで大きく取り上げられたお店が大繁盛するのは今や常識と言ってもよい。
ところでこの口コミ、ホテル業界でも例外ではない。ホテル業界にかかわる私自身、出張や旅行の際、ネットの口コミは丹念にチェックしてホテルを選択する。だが、これが意外に曲者だ。書かれていることは一見もっともらしいのだが、食事と同様、ホテルには様々な宿泊客がいる。
宿泊する目的も、その日の体調も、機嫌も、それぞれの“お客様”がさまざまなシチュエーションでホテルを利用する。したがって、口コミで書かれていることを鵜呑みにすると、そのホテルの実態から離れることになってしまう。
ネットで溢れる口コミをどのように活用すればよいのか?
しかし、口コミはそのホテルの日常を映し出す鏡でもある。ホテルにとっても、口コミの内容を放置していると悪評が悪評を生むことにもなりかねない。口コミがホテルの評判を決定づけてしまうこともあるからだ。
ではネットで溢れる口コミを私たちはどのように活用すればよいのだろうか。