成長した若手選手達の活躍を目にする機会が増えてきた今だからこそ、ベテラン選手達の力が必要なのだ
そんな彼らに女神は微笑んだのか。否。シーズン終了目前の9月22日京セラドーム大阪で更なる悲劇が安達を襲ってしまった。牽制球を顔面に受けた安達は自力でベンチに戻ったものの、脳震盪と顔面打撲によりベンチを離れる事を余儀なくされた。満身創痍で試合に挑む彼らにとって、いや、そんな彼らの活躍を祈るような思いで見守る我々にとって、余りに無慈悲な神の選択。最後まで全力でシーズンを全うする事を目標とした終盤戦で、再度バファローズは安達を欠く事となる。
あくまで悲運なアクシデントである為、NPBは10日を待たず再登録できるよう特例を発動したというが、チームは大事を取ってシーズン中の安達の再登録はしない方針だ。それが良いだろう。まだまだ今は夢の先へ向かう道半ば。1シーズンでも長く、彼には活躍して貰わねばならないのだから。本人は戦線を離れる事に悔しさではち切れんばかりの思いだろうが、今は本当にその体を癒して欲しい。まだまだ来年も安達の活躍が勝利への鍵を握っているのだから。
先日、湊通夫球団社長は記者達を前に思いを語った。「僕の意見としては、チーム全体で若返りという中で、エラーなどのミスが多かった。それが安達の復帰によって良くなってきた。今ファームにいるT-岡田であったり、32歳の世代4人を大切にしていきたい」と。成長した若手選手達の活躍を目にする機会が増えてきた今だからこそ、ベテラン選手達の力が必要なのだ。その思いに応えようとするベテラン選手達、そしてその絆。
怪我と闘い、病と闘い、世代交代と闘いながら夢の先へと歩みを進める彼らの闘いは、きっとバファローズ希望の要となる事だろう。
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