「文藝春秋」9月号の特選記事を公開します。(初公開 2019年8月10日)

 中東ホルムズ海峡を航行する船舶を護衛する「有志連合」の結成を呼びかけた米トランプ政権。「自国のタンカーは自国で守るべき」と主張するトランプ大統領は、中東の石油を輸入する日本など各国に有志連合への参加を強く迫っている。これに対し、安倍政権はホルムズ海峡への自衛隊派遣について、態度を明確にしていない。

 果たして、政府はどう対応すべきなのか。

橋下徹氏 ©文藝春秋

「日本の船舶は日本が守る、と打ち返すべきだ」

「文藝春秋」9月号の国際政治学者・三浦瑠麗氏との対談で、「トランプ大統領には『日本の船舶は日本が守る』と打ち返すべき」と語っているのが、元大阪市長・橋下徹氏だ。

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三浦 7月に入ってトランプさんは、イラン沖を航行する船舶を護衛する「有志連合結成」を呼びかけましたね。橋下さんならどう対応しようと考える? トランプ政権の高官は「アメリカは他国の船を護衛しない」と言い、日本政府は対応に苦慮しているようだけど。

三浦瑠麗氏 ©文藝春秋

橋下 これもトランプ流の剛速球。日本の船舶は日本が守る、と打ち返すべきだ。こんなの当たり前のことなのに、これまでアメリカが守ってくれていたから、自衛隊は出せない! なんて無責任なことを言えていただけ。日本のエネルギーの生命線を日本が守らずして誰が守る!

三浦 あら、熱い(笑)。専守防衛や集団的自衛権の議論がちゃんと出来ていればよかったんですけどね。