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2019/09/09

genre : ライフ, 社会

祖父が亡くなり、家を売って…

 保護の判断が妥当だったのか。Aさん夫妻は行政不服審査を請求した。しかし、このとき、「一時保護」が「解除」されていた。そのため「争点がなくなった」として、審査は結審する。ただ、祖父は次女が児相に保護されたことへの怒りもあってか、脳梗塞で倒れ、亡くなった。

「義父(=子どもにとっては祖父)は児相にクレームを入れようとしていました。しかし、いつもなら起きている時間に起きてきませんでした。そのため、救急車を呼びました。病院に搬送されましたが、数時間で亡くなったんです。葬儀が行われましたが、なぜか、このとき、失踪していた実父が参列していました。誰も連絡をしてないはずなのに……」(Aさん)

 その後、祖母は家を売った。祖母と実父、実母の3人が一緒に住むことになるが、2013年1月、四国から愛知県内に引っ越してきた。しかも、Aさん夫妻が住む公営住宅に同居するようになった。年収制限などがあるため、住むことができず、結局、戸建に引っ越した。ただ、この時点で働いているのはAさんだけで生活は苦しい。

「実母と実父は就職活動をしたが、見つかりませんでした。しかも、祖母や実母、実父もそれぞれ生活費などを支払う約束でしたが、支払われることはなかったんです」(Aさん)

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ハイリスク認定され、好奇の目にさらされる日々

 結局、実父は近くのアパートを借りた。実母は、他の男性と恋仲になり、子ども3人を置いて、失踪する。3人の子の親権は、形式上、祖母が持つ。ただ、生活面のトラブルやしつけ面で対立があったため、祖母は四国へ引っ越した。

 次女が小3になった2015年。学校内の学童保育に通っているとき、管理者が「ホッペに傷がある」として児相に通告。次女は一時保護された。

 この1週間前、学校の担任から傷について「虫にさされたところをずっとかいていた」と説明を受けた。管理者は「通報しなければいけない」と言っていたが、担任の説明を児相に伝えると、一時保護は解除された。虐待の疑いがあれば、児相への通告が義務であるが、少し調べればわかることではないか。

「長男が小学生になったときに、学校の事情を知りたいと、PTAの役員にもなりました。学童保育の管理者も、うちの状況を知っているはずです。しかし、いつしか、児相にハイリスク認定され、好奇の目で見られていたのかもしれません」