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児童相談所から接見禁止命令 育ての親は「虐待なんてないのに……」

児童相談所から接見禁止命令 育ての親は「虐待なんてないのに……」

背景に「子どもの取り合い」か

2019/09/09

genre : ライフ, 社会

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一時保護通知書には「虐待の疑いがある」

 同年の夏休み。長男は中1になっていたが、学校内で問題行動を起こす。学校の昼休みに無断で音楽を流したり、ありもしない噂話を広めた。そのため、学校から連絡が入った。その後、担任と連絡帳を交換することになる。長男は「学校の指導が気に入らない」と、近くの交番に「助けて」と逃げ込み、児相に一時保護をされた。

「児相から『警察から連絡があった』と、話がありました。長男は、妹が一時保護を受けていたので、楽園かと思っていたようです。でも、テレビは見られないし、毎日、作文を書かなければならない。長男は『児相はいやだ。帰りたい』と言っていたようです。結局、夏休みの終わりには戻ってきました。ただ、このとき、『(子どもを)早く返せ』とは言っていないんです。親権者じゃないので」

 翌年。次女が小4になった。このとき、近所に強盗が入ったため、警察は緊急配備をかけていた。学校は「子どもを引き取りに来るように」とする一斉メールを配信した。3人の子どもを迎えに行く。ただ、授業が早く終わったため、宿題が出ていた。

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 宿題を見ていると、次女がいつの間にかいなくなっていた。警察官や担任も自宅に来たが、深夜11時30分ごろ、児相から「保護しています」と連絡が入った。「理由は言えない」と。あとから、児相から一時保護通知書が届く。虐待の疑いがあるというのだ。

「妻(=子どもにとっては叔母)が子どもの面会に行くと、次女は『宿題が多かったので、逃げ出した』と言ったそうです。学校に行くと校門が閉まっていた。そこで近所の女性に会い、女性は家に引き入れたが、周囲に警察官がおり、子どもを返せなくなったと。このとき、食事をさせたといいます。それまでも、女性は賞味期限切れの食べ物を子どもたちにたべさせたことがあったんです」

 なぜか、こうした流れの中で、「虐待の疑い」となっていた。しばらくすると、長男は施設から戻っていた。10月ごろ、祖母が「気分転換」と称して、愛知県にやってきた。ただ、四国へ戻るとき、長男を連れ帰った。叔母が気付き、祖母に電話をすると、「今は新幹線の中」と言った。親権者は祖母。法律上はどうしようもない。

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 2017年6月。次女も祖母に引き取られた。児相とのやりとりの結果だった。しかし、次女は、Aさんや叔母に連絡を取ってきた。「服がない」「食べ物がない」「買い物にやらされるが、遠いし、自転車もない」などと電話してきた。