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幸福度の男女格差世界一は日本だった 「男なんだから俺が稼がなきゃ」が生きづらくさせている

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女性が結婚相手に求めるもの 1位は「人柄」、2位は?

 図4は独身の男女に、結婚相手に求める条件を聞いた結果です。男女ともに「人柄」が1位です。次に女性が男性に求めるものは、なんと「家事・育児の能力」なのです。しかも96.0%。ほぼ全員です。その次が、ほぼ同率で「経済力」と「仕事への理解」。女性は結婚相手の経済力も重視するけれど、同程度に自分のキャリアにも理解があることを求めているのです。

※『21世紀の「男の子」の親たちへ 男子校の先生たちからのアドバイス』より引用

 共働きが当たり前となった社会において、このバランスは非常に象徴的です。これからの男性は仕事ができるのは当たり前で、そのうえにパートナーの仕事への理解があって、育児や家事もそつなくこなせなければいけないのです。

 そして何より図4を一見して気付くのは、男性から女性に求めるものより女性から男性に求めるもののほうが総じて多いことです。棒グラフの面積が明らかに違います。

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男性の4人に1人が結婚できない?

 現代の日本社会は、いまだに男性が「下駄を履かされた」男女不平等な状況ですが、その下駄を脱ぎたくても脱げないという意味で、男性には男性の生きづらさがあるのです。

 結果、いまや男性の4人に1人は結婚ができないといわれています。特に年収が低い男性の未婚率が高い(図5)。男性が一家の稼ぎ頭でなければ格好が悪いという旧来の価値観が、男性の心のなかにも女性の心のなかにも強く刷り込まれているからです。

※『21世紀の「男の子」の親たちへ 男子校の先生たちからのアドバイス』より引用

 残業などしないで早く家に帰ろうと言われるが、業績は落としてはいけないとも言われる。男性ももっと育児や家事をしようと求められるが、仕事ができない男はカッコ悪いとも思われる。これらのダブルバインドメッセージが、家庭でも会社でも男性を追いつめているのです。

 逆説的ですが、現実問題としては、いま「男がつらい」わけです。いや、男女それぞれに課題があり、「お互いに大変ですなあ」というほうが正しいのでしょうけれど。