昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

妻のキャリアを犠牲にしない

 ひとにはそれぞれ魅力がありますから、企業のマーケティングのように、異性のニーズに合わせた自分になる必要なんてないと私は思います。自分は自分らしくあればいい。でも世の中の流れとして、女性が、これまでの時代とは違う視点でも男性を選ぶようになっていることは知っておいたほうがいいでしょう。

「配偶者を考える場合は、好きとか気が合うとかいう点のみならず、自分のプロモーションと女性がプロモートされることをイコールで考えられるひとかどうかまでを確認しておくべき」

 これは、拙著『ルポ東大女子』で、40代の東大出身の女性が語ってくれた言葉です。どういう意味か。

©iStock.com

 これからは女性も男性と対等に活躍できる社会にならなければいけない。口ではそう言いながら、自分の出世のために、家事や育児を妻に押しつけ、自分は仕事に没頭するようなパートナーを選んでしまったら、妻はいわゆるマミートラックにはまってしまい、思うようにキャリアパスを歩めないということです。

 これからの共働き社会では、自分の自己実現と同様に、妻の自己実現にも理解があり、それをサポートできる男性を選ぶべきだというアドバイスです。

 出産・育児のために妻が仕事を辞めて一生専業主婦になってしまった場合、世帯年収は億単位で減少するという試算もあります。本当は妻も仕事を続けたいのに、夫が自分の出世競争のために妻にキャリア上の犠牲を強いたとして、世帯収入として本当にその分を取り返せるのかという話にもなります。妻の自己実現よりも、世帯収入よりも、自分の出世欲を優先しただけではないでしょうか。

©iStock.com

 いくら高学歴・高収入なエリートでも、そのような男性をパートナーにすべきではないと。これからの時代は、優秀な女性ほどそう考えるでしょう。

 逆に、とことん働きたい女性を、専業主夫のような立場で支える男性がもっと増えてもおかしくはありません。現在ではそのような男性はいまだに「ひも」などと揶揄されることがありますが、男女平等参画社会というのなら、そこも変えていかなければいけません。そのためには当然、女性の側の意識の変化も必要です。