メーカーおすすめの製品を聞いてみると……
両社の話を聞く限り、どうやら今回の消費税まわりの制度改正に当たっては、手持ちの消費税電卓の税率を8%→10%に変更すれば準備完了、というわけではなさそうです。2023年に導入される適格請求書等保存方式(インボイス制度)では、本体価格、税込価格、税を別々に請求書に記載しなくてはいけなくなるので、あとあとのことまで考えると、買い替えは不可避と言えそうです。
ここまでの話を踏まえ、両社におすすめのモデルを教えてもらいました。カシオのおすすめは、前述の「税計算合計キー」を搭載した「JF-200RC」です。「8%と10%の税率それぞれの税込額、税抜額、税額を出せるので、請求書の記載や帳簿付け確定申告に便利です」(カシオ木村さん)
シャープのおすすめは「EL-SA72-X」。「新消費税に対応することがわかりやすい配色と、8%、10%、任意税率の3種類の税率に対応できる専用キーを備えています」(シャープ小湊さん)。8%と10%以外に加えてもうひとつ任意の税率を設定できるため、サービス料などの計算に重宝します。
このほか、基本機能をおさえたベーシックモデルとして、カシオは「MW-100TC」、シャープは「EL-MA71X」を挙げます。いずれも2つの税率キーを搭載しており、最小限の機能があればよいという人は、実売千円前後で入手できるこれらのモデルで十分でしょう。
以上、「軽減税率対応」をうたう電卓と、その選び方のポイントをお届けしました。今回紹介したモデルを始めとした電卓の買い替えにも、消費税はもちろんかかるわけで、自分の用途に合った製品を早めにチェックし、必要とあらばなるべく9月中に購入を済ませておくのが、賢い対応と言えそうです。