昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

8%?10%? 複雑すぎる軽減税率で「電卓も買い替え時?」メーカーに聞いてみた

税率計算の強い味方となるのが……

2019/09/13

 消費税法の改正に伴って10月1日から導入される軽減税率制度により、10%と8%、2つの税率が混在するようになります。カテゴリによって明確に分かれているならまだしも、「みりん風調味料」は8%なのに「みりん」は酒類扱いで10%だったり、また店内飲食とテイクアウトで税率が異なるなど、その分かりにくさが混乱を招きつつあるのは、ご存知のとおりです。

 もっとも、いちばんの被害者と言えるのは、これらをその場で計算し、客に説明しなくてはならない飲食業の人かもしれません。また今回の消費税率変更は、10月という期半ばで行われるため、年明けの確定申告では新旧2つの税率を使い分ける必要があったりと、飲食業に関係する人に限らず、広い範囲に影響が及ぶことが予想されます。

 こうした、面倒で分かりづらい税率計算の強い味方となるのが、軽減税率への対応をうたった電卓です。2つの税率に対応するための専用キーを搭載するほか、税込価格・本体価格・税額という3つの金額を切り替えて表示できるなど、消費税にまつわるややこしい計算をサポートしてくれます。

いま家電量販店に足を運ぶと、軽減税率への対応をうたった電卓がずらりと並んでいるのを目にすることができます

 今回は、いま続々と登場しつつある「軽減税率対応電卓」の選び方のポイントを、カシオとシャープの2社に聞きました。質問に答えてくれたのは、カシオ計算機株式会社広報部の木村舞さんと、シャープ株式会社国内スモールアプライアンス事業部パーソナルソリューション企画開発部の小湊和則さんです。

消費税電卓、これまでのキーだけでは足りなくなる!

 消費税導入後に発売された電卓の多くは、消費税の計算機能を搭載しています。「税込」キーを使えば税込の金額を、「税抜」キーを使えば消費税を省いた本体価格を表示してくれますので、消費税を扱う計算では大変重宝します。

 もし従来の3→5%、5→8%のように、単純に税率が変更になっただけであれば、わざわざ電卓を買い替える必然性はそれほどないと言えます。「税率キーが搭載されているモデルに関しては、税率の変更設定が行える」(カシオ木村さん)からです。

 しかしこの10月から導入される軽減税率では、8%と10%という2つの税率が混在するようになるため、1つの税率キーでは足りなくなります。これに対する電卓メーカーのアプローチは単純明快、「2つの税率キーを搭載する」というものです。

「2種類の消費税率を使いやすくするための、使用頻度の高い8%と10%税率を計算できる専用キー、および税込/税抜を1回のキー操作で計算できる専用キーが必須になるとみています」(シャープ小湊さん)

「8%」「10%」という2つの税率キーを搭載したシャープ「EL-SA72-X」。金額の入力後に各税率キーを押すことで、税込価格が表示されます。左上には具体的な税率も表示されます

 カシオとシャープ、両社から発売されている軽減税率対応電卓は、いずれも2つの税率キーを搭載しています。例えば100円の品物があったとして、シャープ製品では「1」「00」のあとに「10%」を押せば消費税10%の税込価格を、「8%」を押せば消費税8%の税込価格を表示してくれます。カシオは「10%」「8%」の代わりに「税込1」「税込2」というキーを搭載しており、こちらも操作方法はほぼ同じです。

こちらはカシオ「JF-200RC」。「税込1」には10%、「税込2」には8%の税率が設定されており、2種類の税率を計算できます

 また、「1」「00」「8%」のあとに「+」を押し、続いて「1」「00」「10%」を押すと、税率が異なる2種類の商品の合計金額を出すことができます。ほかにも「税率8%の商品5個と、税率10%の商品10個の合計金額」といった複雑な計算にも対応します。