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『カルト村で生まれました。』の高田かやさんが「旅グルメマンガ」を描くまで

『うまうまニッポン! 食いだおれ二人旅』高田かやインタビュー#1 

絵を描くための“おさらい旅行”で恥ずかしかったことが……

©高田かや

――今回の作品では、高田さん夫妻のおすすめの旅を12カ月分紹介してくれていますが、描くために改めて「おさらい旅行」に行かれたんですか?

高田 九州は遠いのであまり行けませんけど、本作で描いたそのほかの土地はすでに何度も出掛けているお気に入りの場所なので、資料用の写真も十分あるから再訪しないでも大丈夫だと思っていました。でもいざ描こうとしたとき、絵にする上での情報が少な過ぎることが分かって……。普段の旅行で写真を撮るときは、料理や名物をアップ気味で撮っていたのですが、絵にする場合、周りのものがたくさん写っていたほうがサイズの比較になったり、お店全体の雰囲気が分かったりするんですよね。なので再度出掛けられる場所には出掛けて、引きの写真を撮影したり、メニューなど細かい箇所のチェックをして回りました。絵に描くという目的ができてからは、写真の撮り方が大分変わりましたね。

 漫画の作業のために再確認で行く旅行は、視点が全く変わってしまって、それまではお気楽にのんびり旅を楽しんでいただけだったのに、「ここの柱は何本?」「このお店の制服は何色?」などとただひたすら細かい部分をチェックして回る旅になってしまいました。

 ふさおさんは、私が風景や食べ物には目もくれず細部の確認ばかりしているのがつまらなかったようで、「適当に描いてもいいんじゃないの?」と呆れていました(笑)。自分でも、お店の椅子の細かい装飾や宿の窓の障子の枠数を数えながら、「一体何をしているんだろう?」と思うことはありましたが、実在するものはできるだけその通り描きたかったし、そこで働いていたり、その場所が好きでよく知っている人たちは、細かい部分もきっちり描かれていたほうが嬉しいだろうなと思ったもので……。

 写真撮影が禁止の場所や温泉の内部などは、よく観察しておいて急いでメモしたり、スケッチしたり。そもそも普段あまり写真を撮るほうではないので、なりふり構わず一心不乱にあらゆる角度から写真を撮る行為自体も、とても恥ずかしかったです。

兵庫県 ひょんなことから 淡路島バトン旅」を読む

うまうまニッポン!  食いだおれ二人旅

高田 かや

文藝春秋

2019年10月10日 発売

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