「レイプの利点は何だと思う?」というアンケートの答え
行方不明になっていた若い女性が惨殺死体で発見されたというニュースに「また売女が死んだ」「ざまあみろ」と喜びのコメントが並ぶ。「レイプの利点は何だと思う?」というアンケートに「デートの必要がない」「金がかからない」などの答え。「インセルが救われるために法律を変えよう」という話題は「女の就労を禁止しよう。生きるためには結婚するしかないから、俺たちにも回ってくる」「そのために女の選挙権を剥奪しよう」と盛り上がる。これは「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」というドラマそのものだ。キリスト教原理主義者たちがアメリカの政権を握って、すべての女性から働く権利と、選挙権を奪ってしまうのだ。
「そんなことを言うのはやめよう。女性だって人間なんだ」
インセルス・ミーの掲示板で、ただ一人、当たり前のことを反論している投稿者がいた。ジャック・ピーターソンというハンドルネームで、マスコミの取材に応じた、ただ一人の投稿者だった。新聞やテレビで、ピーターソンは、インセルは怪物ではない、ただの寂しい若者なんだと訴えた。
ピーターソンはシカゴ在住の現在19歳。仕事もなく、母の家に引きこもっている。幼い頃からシャイで、小学校では女子から「ブサイク」「キモい」とイジメられた。中学は3回も転校したがイジメは止まらなかった。ついに高校1年で中退。自殺も考えた。唯一の慰めはネットだった。そこにはピーターソンと同じような人々がいた。彼に興味を持ってくれる女の子もいた。4歳年上で、彼が16歳の時に直接会い、童貞を奪ってくれた。
でも、その初体験は惨憺たるものだった。彼女はピーターソンをブサイクだといい、ペニスが小さいと笑った。さらにその後、他の男とセックスして「あんたより良かった」とメールしてきた。