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なぜ全裸!? 「全米で最も住みたい街」で1万人の男女が“丸出し”で自転車に乗る理由

「全裸ライド(どんな体も素晴らしい)」(『アメリカ炎上通信 言霊USA XXL』より)

2019/09/23
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 ガタガタのトランプ政権下のアメリカでは、相も変わらず差別やテロ、デモが横行中。そんなアメリカで話題となった、もっともインパクトのある発言・暴言を取り上げるコラム「町山智浩の言霊USA」のシリーズ最新版『アメリカ炎上通信 言霊USA XXL』が9月27日に発売される。この最新コラムから選りすぐりの全3本を公開! 第2弾は「全裸ライド Body Positivity 訳・どんな体も素晴らしい」

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参加者1万人! 全裸で自転車に乗って10キロ行進する

 全裸自転車ライドに参加した。例によって、BS朝日で放送中の番組『町山智浩のアメリカの今を知るTV』のロケです。

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 オレゴン州ポートランドでは毎年1回、10キロほどを全裸で自転車に乗って行進するイベントがある。同じ催しは世界各地で行われているのだが、ポートランドの規模は最大で、今年は1万人が参加した。筆者もそれだけの数のおっぱいやちんちんをいちどに見たのは生まれて初めてだった。

※筆者が参加した全裸ライドではありません ©iStock

 全裸自転車の目的はまず石油燃料への抗議。CO²と亜硫酸ガスを撒き散らし、地球温暖化と異常気象の原因になるガソリン自動車にポートランドは市ぐるみで反対しており、市内の道路は歩行者と自転車、それに市電が中心で、自動車は肩身が狭そうにゆっくり走っている。だからスモッグも交通事故も少ない。

 そんなポートランドはここ数年「全米で最も住みたい街」のランキング1位をキープしている。そして全米で最も自転車が多い。それを誇示するのが全裸自転車ライドなのだ。

 でも、なぜ全裸?