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「商品の入れ方がおかしい」というクレームが「慰謝料100万円よこせ」に――コンビニ店主の悲鳴

“カスハラの現場” コンビニ店主・川上さん(仮名・50 代男性)の事例

 パワハラ、セクハラと並び、今や世界的な現象になっているカスタマー・ハラスメント(従業員のささいなミスでキレる、暴言を吐く、終わらないクレーム、威嚇・脅迫顧客からの悪質なクレームなどの迷惑行為)。NHKの人気報道情報番組「クローズアップ現代+」の放映後、大反響を呼んだその実例と分析、処方箋をまとめた『カスハラ モンスター化する「お客様」たち』が発売された。その中から実際にあった酷い“カスハラ”の2つの事例。

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「商品を袋に入れる入れ方がおかしい」というクレーム

 関東地方でコンビニのオーナーをしている川上さんは、番組のホームページを見て連絡をくれた。

「トラブルになったお客様から『半年で200万円ぐらい使ったから、100万円返せ』と言われ、『商品の現品がないと返金は出来ません』と伝えると、『じゃあ慰謝料として100万出せ』ってしつこく要求されたんです」

 その客がしばしば訪れるようになったのは、半年くらい前だった。作業服を着た25歳くらいの男性で、通勤の途中と思われた。

 最初は「商品を袋に入れる入れ方がおかしい」というクレームだった。

©iStock.com

 川上さんは、コンビニを経営して10年以上になるベテラン。これまで受けたことのない指摘に驚いたが、「その場は、とにかく謝るしかないと思いました。ところがその後も、来店されるたびに声を荒らげられることが続きました。そのお客様が来られたら、最大限気をつけて対応してたんです。

 ところが、誠心誠意接しているつもりなのに、何をしても罵声を浴びるようになったんですよ」