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《ストライキはどうなった?》佐野SA”解雇部長“が悲壮告白「知らない人たちが働いている」騒動から1カ月

source : 週刊文春デジタル

genre : ニュース, 社会, 企業, 働き方

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 栃木県佐野市のご当地ラーメン「佐野らーめん」の人気で全国区となった佐野SAは、約170万人の年間利用者数を誇る。しかし、運営会社ケイセイ・フーズの岸敏夫社長と従業員の人事を巡る対立から、お盆真っ只中の8月14日未明に従業員はストライキを敢行。夏休みのかき入れ時にフードコート、レストラン、売店の営業を突如ストップする事態となった。

スト中の佐野SAフードコート ©文藝春秋

 現在、フードコート、売店、レストランは、社長側が関連会社の従業員や日雇いスタッフなどを集めて8月30日に営業を再開。しかし、以前から働いていた従業員のストライキはいまだ断行中だ(9月15日)。

栃木県の労働局に斡旋を申し立て

 組合と会社側はこれまで幾度の労使交渉を重ねてきたが折り合わず、9月3日の弁護士間の下交渉も決裂に終わった。

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「今の状況で言えるのは、平行線のまま1カ月が経過したということです。9月3日以来、交渉は一度も行われていない。私たちの要求は『安心・安全な職場に戻りたい』という、ただそれだけです。経営陣の退陣もおのずとその中に含まれます。私の解雇は撤回されていますが、戻るなと言われている状況です。

 会社側の主張は『あなたたちの行為はストライキとして認めていない』というもので、さらに『(ストライキによる)損害賠償を請求する』という。まったく折り合える内容ではない。先日、私は栃木県の労働局に斡旋の申し立てをしました。今後は公的機関が仲裁に入ってくれる予定です」(同前)

ストライキは品揃えにも影響した ©文藝春秋

 ストライキ突入直後から、ほぼ毎日のように従業員は佐野市内の会議室に集まり、復帰に向けてより良い接客業などについて議論をたたかわせている。加藤氏は高齢者の多い従業員たちの前で、再就職の難しさと厳しい労使交渉の現状について、ありのままを話したという。