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 この状況に、ケイセイ・フーズは、従業員側に「あなたたちの行為はストライキとして認めていない」「(ストライキによる)損害賠償を請求する」と主張。さらには、ストに突入した従業員を余所に、関連会社の従業員や日雇いスタッフを集めて、SAの各部門に配置し、8月30日に営業を再開。ストライキは長期化の様相を呈していた。

目を潤ませ、握手し合う従業員たち

 そんな中、復職できることが従業員に知らされたのは、9月19日のことだった。

 連日のように従業員側の会合が開かれていた佐野市内の会議室。この日の会合で、険しい表情の従業員たちを前に、組合の中心人物だった加藤氏は目を真っ赤にしてこう言ったのだ。

「やっとここまできました……。皆さんに初めて言います。安心してください」

 1カ月を超えたストライキに、解決の突破口が見えた瞬間だった。

 加藤氏の言葉に、会議室には割れんばかりの拍手が沸き起こった。従業員の顔からは笑みがこぼれ、目を潤ませる女性、握手を交わす男性もいた。あるベテランの男性従業員は記者に対し、声を震わせながら語った。

「まずはストライキ前と同じ状況に、一歩ずつ焦らずに戻したいという気持ちだけです」

従業員の現場復帰が伝えられた9月19日の会合。従業員たちが涙ぐむ場面もあった ©文藝春秋