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「セクシー」発言の小泉進次郎氏 「何か言ってそうで何も言ってない話法」生みの親とは?

「小泉節 よく聞くと意味不明…」

2019/09/27
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「美しい演説ではなく具体的な計画」を持ってくるよう……

 同じ日の毎日新聞は「気候行動サミット」開催にあたり国連のグテレス事務総長の各国への注文を載せた。「美しい演説ではなく具体的な計画」を持ってくるようにと。

 ま、マズい……。具体的にって、なんでそんな進次郎が嫌がることを言うんだ事務総長。

 思わず日本の予定はどうなってるか調べると「日本からは小泉進次郎環境相が出席するが、演説の機会はない」。

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 ホッとした。

 なんでこっちが安心しなきゃいけないのだろう。

 しかしこの日の共同会見では気候変動の取り組みに関し、例の小泉セクシー発言が飛び出したのである。

 朝日新聞は《くだけた英語表現を多用し、小泉氏は米国内でも率直に自らの考えを発信したが、「セクシー」などの言い回しは物議を醸しそうだ。》と書いた。(朝日新聞デジタル9月23日)

「醸しそうだ」と評価を投げるズルい言い方だが、それよりセクシーな具体案は発信されていない。またしても中身がない。

©AFP/AFLO

 しかし次の記事を読んでハッとしたのだ。NHKのWEB記事小泉環境相 温暖化サミット出席も具体策の発言なし(9月24日)である。

 見出しは小泉環境相の具体策の無さを指しているが、次のくだり。

《一方、日本の安倍総理は出席せず、代わりに小泉環境大臣が出席しましたが、具体的な対策などについて発言する機会はありませんでした。》

《温暖化対策に積極的な国々と比較すると具体的な新しい内容に踏み込むことはほとんどなく、今後、日本としてどのように取り組んでいくのかが問われています。》

 つまり、小泉環境相も何も考えてないがその前から政府も考えてない。

 それならどうせ言葉に中身のない小泉進次郎を環境相にして国連に送りこもうという判断だったのだろうか。まさに「適材適所」である。

「言語明瞭、意味不明瞭」

 それにしても小泉進次郎の何か言ってそうで何も言ってない話法。既視感あると思ったら竹下登元首相の「言語明瞭、意味不明瞭」であった。

竹下登元首相 ©文藝春秋

 ただ、竹下氏は「示唆」や「おとぼけ」も含まれていたのに対し、小泉進次郎はガチで何も言ってない。行間を想像する楽しみは含まれていない。

 よりによってオヤジ(小泉純一郎)が目の敵にした旧竹下派のトップに似てしまうってとんちんかんで面白い。

 小泉進次郎という“不自然な大物”はどんどん可視化されて面白がられるべきだ。

 それが健全だと思います。

「セクシー」発言の小泉進次郎氏 「何か言ってそうで何も言ってない話法」生みの親とは?

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