9月11日の内閣改造・自民党役員人事で、小泉進次郎環境相が誕生した。これまでなるべく露出を避け、オープンな場に出ることを極力避けてきた節があるように見受けられる小泉氏だけに、大臣就任はかなりプレッシャーのかかる局面になるはずだ。そう思って大臣初日の会見を見てみたが、小泉進次郎はどこまでいっても“政治家・小泉進次郎”を演じていて、なかなか本音は見えてこない。
実のところ大臣就任を望んでいた?
「理屈じゃないですね」
ぶら下がり会見で、入閣の決め手について聞かれた小泉氏は、「理屈じゃないですね」と微笑んだ。この発言は、8月に同じ首相官邸で、滝川クリステルさんとの結婚報告を行った際も、結婚の決め手として述べていた発言と同じ。理屈じゃないというのは、裏を返せば感情やら本音やら思惑やらが、そこにごった混ぜになって含まれているということだ。常に鎧を身にまとって小泉進次郎を演じている小泉氏が、自らのそんな内面を説明するわけもない。それでも入閣要請に「よろしくお願いしますと自然と体から出た」と言うのだから、実のところ大臣就任を望んでいたと思われる。
「まずは明日、福島に行きます」
人に話を聞いてもらうには最初の一言が大事になる。これは小泉氏自身も言っていることだ。フィールドワークとしてやってきた復興は、環境相兼原子力防災担当相として強みになる。小泉氏はこの第一声で、復興や原発に対する関心の高さや行動力を世間にアピールできたはずだ。翌日には早速、福島入りして内堀雅雄知事と会談し、メディアがそれを追いかけ報じる。彼の発信力はやはりずば抜けている。「任命された理由の1つが発信力の強化」と語っているように、自分に求められている重要ポイントは発信力だと理解している。
「環境省に眠っている宝は世界の宝になる」
発信力は早速、ぶら下がり会見や就任会見から使われた。「こんなに露骨に売り込むのかと、そういった姿勢で」と声高に、日本の環境対策の最先端技術をセールスする姿勢を強調した。
しかし、それより先に売り込んだのが環境省自体だ。今日一日、職員からレクチャーで叩きこまれたという小泉氏は、「すごく優秀な環境省の職員の皆さんが」いて、知れば知るほど「発信力がなくてもったいない」とアピール。就任早々、自らの省庁をここまで持ち上げる大臣もいまい。期待を寄せているのだろうが、あまりに露骨な表現のため褒め殺しのようにも聞こえる。ただ発言の途中、「やっていけるかどうかわからないけど」と声を落として微笑んだのも意味深だった。