日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄決定後も、世界貿易機関(WTO)への提訴など、日本政府の輸出管理の厳格化への対抗措置を露骨に連発し続けてきた韓国。民間レベルでも、日本製品の購入ボイコットや日本への渡航自粛の動きが現在も続いている。
しかし、いまや韓国の反日政策は「出せる手は出し切った」といった状態。これまで日本政府に息巻き、反発し尽くしてきたが、新たな手を失い、今は肩で息を切っているようにも見える。
そんな中、文在寅大統領を悩ませているのが、東京オリンピックをめぐる問題だ。
朝鮮半島の平和を演出するために東京オリンピックを利用したい文大統領に対し、韓国国内は日本批判に使える新たな手があるなら「何でも使いたい」という状態。市民から改めて五輪ボイコットの要求が出されるなど、“東京オリンピック潰し”にブレーキが利かなくなっているのだ。
南北合同チームは文政権最大の政策課題の一つ
文大統領は国連総会への出席のため米ニューヨークに滞在していた9月24日、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長と会談し、東京オリンピックへの北朝鮮と合同チームを結成しての参加と、2032年夏季五輪の南北共同誘致に改めて意欲を伝え、支援を求めた。
韓国と北朝鮮、IOCは今年2月、4競技で南北合同チームを結成し東京オリンピック出場を目指すことなどを決めていた。この日もバッハ氏が、昨年2月の韓国での平昌冬季オリンピックと、来年の東京オリンピック、そして22年の北京冬季オリンピックと続く「五輪のリレーの成功を願う」と述べ、日中韓の協力を促した。