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あの夏の日の興奮……私、釈由美子はなぜベイスターズにどハマりしたのか

文春野球コラム クライマックス・シリーズ2019

2019/10/12

 スタジアムの臨場感が大好き。屋外の抜け感。空とグラウンド。ラッパの音。海風。ファンの歓声。売り子さん達。眩いナイター照明。試合のムードが高まり興奮の波がうねりとなって球場と一体化する瞬間。あの高揚感。

 私、釈由美子は声を大にして横浜DeNAベイスターズファンであることを公言しています。

 結婚と出産を経て、一家で横浜へ移り住んだのが2年半前。それ以来というもの、不思議なほど大きな地元愛が私の中に芽生え育まれていますが、そのきっかけの一つに横浜ベイスターズとの出会いがあります。

息子と観戦中 ©釈由美子

あの夏の夜、初めてのハマスタでの興奮

 2017年8月3日、夏の暑い夜でした。主人に誘われ当時1歳の息子を連れて初めてのハマスタ。何の気なしに出かけて行ったこの日はまだ、私がその後の人生においてこんなにもベイスターズにどハマりするなんて思いもしませんでした。

 対戦相手は中日ドラゴンズ。私の初ハマスタは、混沌のゲームに痺れるようなホーム勝利を飾りました。スタンド大沸騰の盛り上がりにとても興奮したのを覚えています。野球観戦は初めてではなかったけれど、こんなに楽しいと感じたことはありませんでした。胸の高鳴り、球場風景、真夏の夜、観衆の声援、祭のような熱狂に心を奪われ、すべてが新鮮に思えました。

 そしてまた同じ月、二度目の観戦機会が訪れます。8月24日広島戦、序盤リードされながらも流れるような試合展開、9回に倉本選手のヒットで劇的な逆転サヨナラ勝利を収めたベイスターズ。熱気こもるファンスタンドの賑やかさと高潮。

 息子もキャッキャと大喜びで、球場からの帰り道にはもう次の試合はいつかとゲーム日程を調べていました。

 長年憧れた横浜に移ったばかりの新生活で、この街の魅力にますます引き込まれていた時期だったということもあってか、心が同期するような自然さでベイスターズに恋に落ちました。これまでの人生で、プロスポーツの地元チームにホーム愛のようなものを抱いたことはありませんでしたが、いまやすっかり勝手に地元を背負ったつもりで応援しています。

 我が愛するホームタウン、横浜、そして横浜ベイスターズ。

いまやすっかり勝手に地元を背負ったつもりで応援しています。 ©釈由美子

最高に見応えのあった“負け試合”

 シーズンも後半スタートでありながら2017年はクライマックスシリーズのパブリックビューイングも含めて5試合ハマスタ観戦しました。

 驚くべきことに、球場観戦した日はすべてベイスターズが勝利しました。毎回大盛り上がりの勝ち試合で、もうこの興奮はヤミツキ。

 この勝利ジンクスは2018年シーズン中盤まで続きます。途中、本気で自分が勝利の女神なんじゃないかと錯覚するほど「行けば勝つ」状態のベイスターズ。

 この勝率はさらに試合観戦を重ねた今でもかなり高く、負け試合はたったの数試合だけ。

 だけどなぜか、負けた試合の方が心に残っていたりするのです。負けたその数試合のうちにも最高に見応えのあった試合があります。2019年6月22日楽天イーグルス戦。初回から両チーム大量得点で、1回が終わる頃にはすでに試合開始から1時間が経つという珍しいゲーム。初っ端から6点も落とす滑り出しの落胆も束の間、裏の攻撃であっという間に7点を奪って引っくり返すノリの良い展開でその後は取りつ取られつ結局負けてしまいましたが、野球って面白いと心底感じた試合でした。合計20得点、4時間を超える大試合はまた一つ私のベースボールライフに思い出を残しました。今では息子と2人行きたいときはたとえ立ち見席でも(チケットなかなか買えませんよね)行って、大きな声で応援します。

 毎回大はしゃぎする私は、周囲のお客さんにすぐに顔バレします(笑)。

 だけど周囲のベイスターズファンの皆様、チームがピンチを凌いだり得点するたびに私や息子にも温かくハイタッチしてくれます。仲間に入れてもらえたようでうれしいんです。

 ファンを沸き立たせる様々な工夫と手法を凝らしたエンターテイメント。

 球場観戦の醍醐味は臨場感と躍動感。dianaの華やかなダンスや試合後の花火も楽しみの一つ。球団ソングや選手の応援歌も覚えて「ヨーコーハーマのそ~ら高く~」と声を上げています。