アニメ『宇宙戦艦ヤマト2199』の3年後の世界を描く新シリーズ『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』が2月25日より劇場上映され配信も始まる。構成と脚本を手掛けるのは作家の福井晴敏さんだ。モチーフとなる『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』が1978年に公開された当時は10歳だった。

 イスカンダルへの壮大な航海から宇宙戦艦ヤマトが地球に帰還して3年。ガミラス帝国と和平条約を結び先の大戦からの復興が進む一方で、新たな脅威にむけて軍備が再び増強されていく。

「新シリーズの世界は、東日本大震災後の日本の状況や、自爆テロが絶えない現在の世界状勢に通じています」

ADVERTISEMENT

 キャッチコピー「この『愛』は宇宙を壊す――」も福井さんが考案した。

「もともとテーマは『愛』と打ち出したのが最初の『宇宙戦艦ヤマト』でした。西﨑義展さんという有名なプロデューサーの言葉です。でも邦画界の誰もが口にする陳腐な言葉になっていったんですね。後にきた『ガンダム』は『愛』を『哀』に変えて『哀戦士』とした。皮肉っている訳です」

 旧作との大きな違いは「愛の複雑化」だという。

「今、世の中で起こっている争乱の原因の95%は“愛”ですよ。祖国愛であり神様への愛であり。旧作に熱狂したティーンエイジャーは40代、50代になり、もう“特攻”するには現実に与し過ぎている。複雑な状況のなかで自分が人間であることをどう守り通していくか。大人にも見応えのあるアニメになりますよ」

INFORMATION

『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』
2月25日全国公開
http://yamato2202.net/