日本は安全な国だけど、収入が低く、ワークライフバランスや子供の学校や学習に対する評価が低い。これは外国人が見る日本の姿なのです。
英国・エコノミスト誌の調査部門「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)」が発表した「世界の都市安全性指数ランキング」では、東京が1位に選ばれました。ちなみに2位はシンガポール、3位は大阪でした。この調査は世界の主要60都市を対象に、57の指標を「サイバーセキュリティ」「医療・健康環境の安全性」「インフラの安全性」「個人の安全性」の4分野に分けて分析したものになります。安全性を考えると東京や大阪は世界トップレベルなのです。
しかし、「各国の駐在員が働きたい国ランキング」(英国・金融大手HSBCホールディングス調査)(https://www.expatexplorer.hsbc.com/survey/country/japan)では、日本は調査対象33カ国(地域含む)中32位という結果に。
1位はスイス、2位はシンガポール、3位はカナダ、4位はスペイン、5位はニュージーランド、6位はオーストラリアで、30位は南アフリカ、31位はインドネシア、33位はブラジルでした。
他のアジアを見ても、15位に香港、16位にマレーシア、18位にインド、22位にタイ、24位にフィリピン、26位に中国と日本よりランクが上なのです。これらのアジア諸国は日本より安全性は高くありません。外務省海外安全ホームページの「危険情報」として「レベル1:十分注意してください。」に入っている国や地域も多くあります。(全順位はこちら)
なぜこのような信じがたい結果となってしまったのでしょうか。私はどちらのランキングでも2位となっているシンガポールに住んでいますが、日本が外国人駐在員から評価が低いのは次の3つの理由が考えられます。
理由1)お金持ち中間層に適したサービスがない
外国人駐在員とお茶をしたりすると、多くの人が財布から取り出すカードはプレミアバンクのキャッシュカードだったりします。日本でも「金融資産1000万円以上」に限定したHSBCプレミアがありましたが、2012年にサービスを停止しています。シンガポールではローカルや外資も含めたプレミアバンクが多数あり、海外送金や為替のトランザクション、海外でのATMサービスやクレジットカードなどのサービスを受けることができます。日本の銀行には超富裕層向けのプライベートバンクはひっそりとありますが、それ以外は一律サービスです。日本の銀行は海外送金などが不便で外資銀行のATMがほとんどない、米ドル預金など外貨預金でも金利が低いなど金融サービスに対する不満も多いようです。