10月13日、ラグビー日本代表は、W杯史上初の決勝トーナメント進出をかけたスコットランド戦をむかえる。
感動を呼んだのは、プレーだけではない
3連勝をかざった日本代表は、往年のファンだけでなく、ラグビーに馴染みがなかった人をも魅了した。感動を呼んだのは、ピッチ上でくり広げられたプレーだけではない。
ロシア戦後、日本代表主将のリーチマイケルが、相手チームのロッカールームを訪ねたという。ロシア選手の健闘をたたえ、模造刀をわたすためだった。
日本代表の選手たちが選んだロシア代表のマンオブザマッチ、キリル・ゴロスニツキーに日本刀をプレゼント🌸ロシア代表の先制トライをあげた選手です。
— ラグビーワールドカップ (@rugbyworldcupjp) 2019年9月21日
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また試合終了後に花道をつくり、日本代表を賞賛の拍手でグラウンドから送り出したアイルランド代表の姿は、世界中のファンの心を打った。
サモア戦の前には、サモア代表が公の場ではタトゥーが目立たぬよう長袖のシャツを着用していると報じられた。サモアやトンガなどポリネシアの国々では、タトゥーは家系やルーツを表現する伝統文化である。一方、日本では入れ墨やタトゥーは、反社会組織と結びつけて考えられる。サモア代表は日本の慣習を尊重したのである。
「ラグビー憲章」に記されている5つの理念
そう。話題になった一連のエピソードに共通するのが、他者や異文化へのリスペクトである。
「リスペクト」は、ラグビーを続けてきた人たちが、守り、育んできた価値観だ。世界のラグビーを統括するワールドラグビーが掲げる「ラグビー憲章」には、ラグビーが持つ大切な理念が記されている。
「情熱」「品位」「規律」「結束」。そしてリスペクト――「尊重」の5つである。