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物語の舞台はサモア諸島の東南2000キロに位置する神秘の島・オウストラル。この島の伝説と謎を調査中、多国籍複合企業GAILの放った刺客に暗殺された父・田神博士(声・千葉耕市)の遺志を継ぐべく、その一子・悠宇(声・田中真弓)は島へ向かった。彼に同行するのは、博士の教え子で“オウストラルに取り憑かれた男”ドクター・ウェイブ(声・キートン山田)と妹のドリス(声・雨宮一美)、それにウェイブの友人で何やらわけありな中年男性、通称・船長(声・今西正男)。船長の船で島に上陸した悠宇たち一行をいきなり謎の怪物が襲った。絶体絶命のそのとき、青い巨大ロボットが出現して危機を救った。
島民から“ゴーグ”と呼ばれ神と崇められるそのロボットは、なぜか悠宇の呼びかけだけに反応し、GAILの追撃部隊の攻撃から悠宇たちを守り、島の地下深くに眠る異星文明の古代遺跡と3万年の眠りから覚めた異星人マノン(声・郡司みつお)の元へと導いて行く――という内容で、この作品が放送された1984年当時としては設定そのものが“異色”だった。
1984年といえば『機動戦士ガンダム』の映画化と“ガンプラ”の大ヒットによる一大“リアル・ロボットアニメ”ブームが一段落した年。『ガンダム』と同じ富野由悠季監督の『伝説巨神イデオン』(’80年)、『戦闘メカ ザブングル』(’82年)や高橋良輔監督の『太陽の牙ダグラム』(’81年)、ニューウェーブともいうべき『超時空要塞マクロス』(’82年)等々数多くの作品が雨後のタケノコの如く創出された。そんなタイミングで『ゴーグ』は、まるで密林からヌッとその威容を見せるかのように姿を現した。