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令和に再評価されるべき幻の名作『巨神ゴーグ』に、作家・安彦良和の神髄あり

南の島を舞台にした少年とロボットの冒険譚……転じて、異星人と人類との全面戦争に

2019/10/17

 漫画家/アニメーター・安彦良和のファンで『機動戦士ガンダム』(’79年)を知らぬ者はいないだろうが、ひょっとしたら『無敵超人ザンボット3』(’77年)を知らぬ方が世代的に現れてくる頃かもしれない。もう少し時が進めば『勇者ライディーン』(’75年)や『超電磁ロボ コン・バトラーV』(’76年)を観たことのない世代ばかりになろう。『勇者ライディーン』の前身である『0(ゼロ)テスター』(’73年)以来の安彦ファンを自任する者としてはなんとも遺憾だが、時代の波には逆らえない。

巨神ゴーグのDVDボックス。

 せめて後世に、大いなる時の流れに埋もれつつある傑作・秀作の数々を伝えようとキーボードを打っている次第だが、そんな“安彦良和作品”のうち令和元年の今、特に声高にシャウトしたいタイトルが『巨神(ジャイアント)ゴーグ』である。

安彦良和自身の次なる“冒険”だったNEXT『ガンダム』

 この作品は、タイトルにある巨神 = 巨大ロボットであるゴーグが主人公の巨大ロボットアニメだ。つまりザンボット3、ガンダム……と安彦が携わって来た歴代ロボットたちの系譜にあたる。「なんだ、いつもの巨大ロボットと同じ?」。当時初めて本作のタイトルに触れ、メインヴィジュアルを目にした筆者も一瞬そう思った。だがひとつ、それまでとは趣を大いに異にする点があった。ゴーグは人間が操縦しない、自分の意志で活動するロボットなのだ。だが、それまでと違うところはじつはひとつだけではなかった。