9月14、15日にTOKYO ODAIBA ULTRA PARKⅡにて開催された「ULTRA JAPAN 2019」。今年は計6万人の観客が訪れ、累計50万人以上を動員したという、日本屈指のダンスミュージックイベントである。

 じつは、このULTRA JAPANの裏側では様々な噂が囁かれていた――。

「このモンスターイベントには裏社会の人間が出入りしていた」

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 そう語るのは野口和樹氏だ。

半グレと金塊 野口和樹 著

 野口氏は名古屋の有名な半グレとして知られ、2016年に発生した博多・金塊強奪事件の主犯格として逮捕された人物。現在は福岡拘置所に収容されている。

 野口氏の逮捕時、その派手な交遊とパリピ生活がクローズアップされた。野口氏らは「全日本パリピ協會」を名乗り、様々なパーティ・イベントに出入りしていたという。

 今年の10月、野口氏は獄中から「半グレと金塊」(宝島社刊)という手記を発表した。同書には彼のこれまで手に染めた犯罪や、有名人との交遊録、そして金塊強奪事件の真相などが赤裸々に語られている。

 彼の証言をつまびらかにすることで、謎に包まれている『半グレ』の実態が明らかになってくる。同書で語られたULTRA JAPANの光と影、本人から許可を得てその一節を紹介するーー。

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 私がシャバにいる時は、月曜日からクラブでパーティをしていた。クラブをハシゴすることも珍しくない。六本木のクラブから渋谷へと流れ、渋谷から新木場の「アゲハ」(ageHa)へ行くこともあった。

 私は北海道から沖縄まで数日きざみで移動し、現地の友人と合流し、夜はその土地のクラブでパーティをする。

 だいたいどこのクラブへ行っても名前と顔が知られるようになり、同じ業界ということで仲良くしてもらえるようになった。