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「石破さんはビームスでも着るといいのにね」

 達人の転機は昨年9月に訪れた。

「総裁選に出ることになって、演説会でも記者会見でも、やっぱり見た目が大事だと。そしたら小渕優子議員に『石破さんはビームスでも着るといいのにね』って言われたの」

 え、ビームスって何? という状態だったが、薦められるがまま、特急でネイビーの1着をオーダーする。

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「ビームスで総裁選の壇上に上がったら『オーッ』ってどよめきが起こった」

昨年9月の総裁選。ビームスのネイビーのスーツで登場 ©AFLO

 担当したビームス・高橋秀樹は「まず肩幅を合わせて、着丈をコンパクトに。軽快感を出しました」と振り返る。

「最初着たとき、窮屈だなと思っちゃった。でも、カッコいいじゃん、石破さんもやればできるじゃんって(笑)。ここは勝負ってときの……勝負服だね」

 ポスト安倍として名は挙がるものの自民党では冷や飯を食う。アップデートされた作業着で石破茂は再び戦う。

石破 茂 Shigeru Ishiba
1957年2月4日、鳥取県出身。79年慶大法卒。86年に衆議院議員に。以来11期連続当選。防衛大臣、農林水産大臣、党政調会長などを歴任。昨年、自身3度目の総裁選出馬。「突然の冠婚葬祭に備えて」所有するスーツの8割は濃紺。残りはチャコールグレー。

 Photographs by Yasutomo Ebisu
Styling by Hideki Takahashi, BEAMS
Hair & Make-up by KENSHIN for Epo Hair Studio

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