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BEAMS×週刊文春 FASHION is SCANDAL!!

「今から話せる?」担当者に深夜のコール 槇原敬之は“どんなときも”ビームス

2019/10/31

10月29日の発売とともに、業界内外を騒がしている異色のコラボ増刊「ビームス×週刊文春」。ビームスと各界著名人の秘話を追った特集「大型ワイド ビームス人秘録」から槇原敬之さんのエピソードをご紹介!

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「今から話せる?」深夜、ビームスのクリエイティブディレクター・窪浩志氏(57)の携帯が鳴った。聞き覚えのある声の主はミュージシャンの槇原敬之(50)。窪氏は槇原のステージ衣装を手掛けている。夜中に連絡が来るということは次のステージの構想がまとまったに違いない。日本が誇るミュージシャン槇原の衣装は、深夜の会談から生まれるのだ。

飛び上がって「かわいい!」

「槇原さんは昔からビームスのお客さまです。高校生の頃は大阪のビームスに通ってくださっていた。今も原宿や新宿のお店に顔を出されます。こういう時はビームスT 原宿、こういう時はビームス ジャパンと使い分けていて、僕たちより詳しいかもしれません(笑)」

 そう話す窪氏と槇原の出会いは12年ほど前。ファッションブランド〈OVER THE STRiPES〉の大嶺保氏を介して知り合った。

「槇原さんはファッションおたく。業界にどんなデザイナーやバイヤーがいるかも把握しています。僕のことも知っていたし、僕が〈Numero Uno〉のデザイナーでスタイリストの小沢宏さんと一緒に立ち上げたブランド〈coffee and milk〉のことも知っていた。びっくりしましたよ」

 交流を続けるうち、「ステージ衣装を作ってほしい」と依頼があった。2010年は槇原のデビュー20周年のアニバーサリー・イヤーで、“セレブレーション”がテーマだという。大嶺氏と2人で燕尾服を仕立てると、完成した衣装を見た槇原は飛び上がって「かわいい!」と喜び、大絶賛の嵐だったという。

 翌年からは窪氏が1人で担当することになり、コンサートの度に衣装を考えること10年。今ではステージに上がって衣装解説をしたり、ファンクラブの会報誌に登場したりと、ファンにも知られる存在になった。スタッフの一員として気心の知れる間柄だからこそ、閃いた時に連絡が来るのだ。

2015年はスーツに音符を散りばめた

「歌詞を書いて楽曲を作って、槇原さんの中である程度コンサートの世界観が出来上がったら連絡をくださいます。電話の時もLINEの時もありますけど、1度会って話したほうがイメージを受け取りやすいです」

 断片的なイメージをもらったら、時間をかけて組み立てていく。

「例えば『空から降りてきた天使が男女の恋人を俯瞰して上から見ているイメージ』というお題が出ます。すぐ答えられないので、頭の片隅に置いておく。すると突然アイデアが浮かぶんです」

 今年3月から8月にかけて行われた全国ツアーでは、全グッズのデザインをビームスが担当した。厚い信頼を寄せられる窪氏にとって、槇原はどんな存在なのか。

「僕はあまりJ‐POPを聴いて来なかったんですけど、槇原さんの詞だけはスッと耳に入ってきた。天才ですよね。服にも詳しくて、モードやトラディショナルの話もできる。単純に、一緒に衣装を作るのがとても楽しい。というか、普通に友達です(笑)」

 お互いが特別なオンリーワン。

週刊文春が迫る、BEAMSの世界。 (文春ムック)

週刊文春

文藝春秋

2019年10月29日 発売

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