10月29日の発売とともに、業界内外を騒がしている異色のコラボ増刊「ビームス×週刊文春」。そのなかから、総裁選にビームスのスーツで出馬した自民党・石破茂氏の特撮ページをご紹介します。
◆ ◆ ◆
タイトなスーツでレンズに鋭い眼差しを向ける大物政治家。永田町とビームス、縁遠い世界に思えるが……。“ポスト安倍”候補が語る「総裁選とスーツと私」。
◆
「私にとって、スーツは作業着そのものですよ」
撮影が終わると、石破茂はそう言って少し頬を緩めた。1年365日、常にスーツを身に纏う。
「病気で寝込むこともないし。スーツじゃないのは、人間ドックに入っているときくらいじゃないの」
“作業着”が定番になったのは、ずっと遡って、日吉でキャンパスライフを謳歌していた頃。
「大学1年の秋まではシャツやカーディガンでそれなりにオシャレしてた。でも性格がいい加減だからか、カッチリした服装でないと落ち着かなくてね」
以来スーツ歴45年――バリバリのスーツの達人である。それにしても、大学1年でスーツは“浮きそう”だ。
「家内も大学の同級生ですから、『変な人』って印象で見てたんじゃないの。でもスーツって楽ですもんね。ポケットが多くて色んなものが入るでしょ」
今も仕立てるとき、ポケットにはもっぱらこだわる。
「ガラケーにスマホ、財布、JRパス。それに名刺は出先でいつでも配れるように。だからポケットをいっぱい作ってくださいってお願いしますね」
見た目よりもまず使い勝手。「スーツは作業着」を地で行く達人。
「手帳はないけど、分厚い日程表も持ち歩いてる。一番先の予定は再来年まで入っているんじゃないかな」
再来年といえば、自民党総裁選ですね、と尋ねると「あ、そうなの」と受け流される。