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 大阪国税局出身の秋山清成税理士は、両親の生前に、子供それぞれにどのくらい財産を渡したかを記録する「財産分配表」の作成を勧める。

「財産分配表を作成するのは、相続時に、親からの過去の資金援助の多寡が原因になり、兄弟姉妹が不仲になることが多いからです。事前に話し合ってデータの形にしておけば、将来揉める可能性は大きく下がります」(秋山税理士)

 事前に話し合いができるからこそ、財産分配表の作成ができる。話し合いができるのは、理想の相続に向けた第一歩となる。

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「遺言書を無視する」ことで理想の相続に近づく!?

 遺言書を遺せば理想の相続になるだろうか?

 相続は、遺言書があれば、相続人に不満があっても遺言書通りに遺産を分配することになる。

 しかし実は、相続人全員が合意すれば、遺言書を無視し、相続人同士で話し合って決める遺産分割協議に変更できる。そして、遺言書を無視したほうが理想の相続に至ることもある。

文藝春秋11月号

 シリーズ第3弾では、国税OBたちが遭遇した実例から「理想の相続」の形を探った。