その1)「夜景モード」は星空もバッチリ?
まずは進化した「夜景モード」について見ていきましょう。なおiPhone 11 Proは新しくリリースされたiOS 13.2の「Deep Fusion」で暗所での画質が改善されていますが、以下の撮影にはリリースが間に合わず、従来のナイトモードで比較していることを予めお断りしておきます。
さて、Pixel 3の名を一躍有名にした夜景モードですが、全体を明るく見せようとするせいか、色は全体的に淡くなる傾向にありました。しかし本製品ではかなりメリハリがつくようになり、どの部分にもしっかりと色が乗っています。
iPhone 11 Proのナイトモードと比べた場合、彩度が低く全体が茶色っぽくなるiPhone 11 Proに対し、Pixel 4は彩度が高く、茶色い木の葉や枝も青々と生い茂っているように描写されます。これをわざとらしいと捉えるか、それとも自然な加工の範囲と考えるかは、人によって意見が分かれそうですが、筆者的にはありだと思います。
また、夜空を写した場合も、空にノイズが乗ることもなく、鮮やかな色合いで写ります。それでいて手前の木々もきちんと描写されるなど、さすがの完成度です。今回は試していませんが、天の川の撮影が可能という謳い文句は伊達ではなさそうです。
なお写真だけ見ていると分かりませんが、Pixel 4にも弱点はあります。それはシャッターを切ってから撮影完了までの待ち時間が、従来より長いことです。具体的には、Pixel 3では撮影完了に6~7秒かかるところ、本製品は10秒ほどかかります。シャッターを切ったまま耐えなくてはいけない時間が長いのは、Pixel 3やiPhone 11 Proに慣れていると若干ストレスです。
ただしその反面、暗所でピントが合わず何度もフォーカスを試行しがちなPixel 3に対し、Pixel 4は高速かつ的確にピントが合います。またきちんと写っているか撮影後の確認が欠かせないPixel 3に対し、Pixel 4は「Live HDR+」によってリアルタイムで確認できる利点もあります。トータルでは五分五分といったところでしょうか。
特徴2)やや青みの強かった「色合い」もバランスよく改善!
次は「色合い」について見ていきましょう。Pixel 3は画面が全体的に青みがかっているのが特徴で、画作りがシャープに見える反面、やや冷たく感じることもありましたが、本製品では色合いはかなり自然になり、コントラストも大きく改善されています。
また従来のPixel 3は、手前の被写体を明るくしつつ、背景を暗いままにすることで奥行きを強調する癖があり、明るさを手動で調整する必要がありましたが、本製品では背景もオートで明るく描写されるよう改善されています。結果的に、もともと自然な色合いのiPhone 11 Proの画作りにかなり似た仕上がりになっています。