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ステージと向き合われた両陛下

 今回石橋へお出ましになった両陛下は、比較的近い距離から、ステージと向き合われるような形で奉祝曲に耳を傾けられたのだが、10年前の2009年11月12日に開かれた上皇さまの即位20年をお祝いする国民祭典では、EXILEが奉祝曲を披露し、上皇ご夫妻は二重橋の鉄橋へお出ましになった。この日はとても寒く、高い位置にある鉄橋にお立ちになった上皇ご夫妻が、冷たい風が吹く中で祝賀にお応えになっていたことを思い出す。

©JMPA

 雅子さまが感極まったご様子で涙を流されたのは、ご自身のお出ましが増えたことで、国民から「寄せられる気持ち」を直接受け止められ、応援のメッセージとして感じられているからなのだろうか。終盤、万歳三唱が繰り返された場面で、「皇后陛下万歳」という言葉に、思わず戸惑われたような笑顔を浮かべられて、提灯をゆっくりと振られたことも印象に残った。

©getty

 天皇陛下は、おことばの終わりに「今日は寒い中にもかかわらず、このように、大勢の皆さんが集まり、即位をお祝いいただくことに、深く感謝いたします」と気遣われた。両陛下が退出される時、雅子さまが陛下に何かを話しかけられて、何度か足を止めながら集まった人々へご一緒に手を振られていた。