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絶対に帰らないという覚悟を定めて路上生活を続ける少女たち
プチではなく本気の家出。むしろ絶対に帰らないという覚悟を定めて路上生活を続ける少女らは、決まって「帰ったらその身が危険」というほど劣悪な生育環境や不自由の中に生きてきた子たちだった。彼女たちのしている「援助交際」は実際には単なる売春で、彼女たちにはそれぞれに、今日の宿と明日の飯を得るために、自力で生き抜くために、自らの身体を売る必要に駆られていた。
「鈴木さん、女の子たちがちゃんと本当のこと話してくれるようになるまで取材するの、結構時間かかるの分かる。それで、こんな人数取材してさ。第一にあたし思うのは、なんでそこまで踏み込んでるくせに、鈴木さんは何もしないのってことなの」
「本は書いたけど……」
「違くて。なんで鈴木さん、てめーで援デリ(組織売春)の経営しようとか、女の子住ませる寮つくるとかしなかったのかってあたしは聞いてんの」
「そんなんしたら、俺が逮捕されちゃうじゃん」
「ほらな。自分は安全なとこから女の子の観察して、自分はわかってますみてーなツラ下げて偉そうに本とか書いちゃうんでしょ? ホントに鈴木さんが逢ってきた子たちのこと考えたら、テメーが捕まろうがなにしようが関係ねーだろ。勝負してねえよ鈴木さん」