NHKは11月21日、麻薬取締法違反容疑で逮捕された沢尻エリカ容疑者(33)が出演予定だった来年の大河ドラマ『麒麟がくる』について、代役を川口春奈さん(24)が務めると発表した。時代劇初挑戦ながら、大河ドラマに初出演という大抜擢となった。所属事務所によると、その日に決定したばかりで、12月上旬から順次撮影を開始するという。
戦国武将の明智光秀の生涯を軸に、動乱の戦国時代が描かれる大河ドラマ『麒麟がくる』は、織田信長の正妻となる帰蝶(濃姫)役に沢尻容疑者が出演予定で、今回の逮捕によってNHKの対応に注目が集まっていた。沢尻容疑者は初回から出演予定で、すでに10話程度までの撮影を終えていると伝えられていた。
沢尻容疑者の逮捕から1週間以内に、NHKは「撮り直し」と「代役」の発表をし、迅速に今回の対応を決定している。しかし、初回放送(1月5日)まで2ヶ月を切っており「撮影してしまったなら撮り直しできなくても仕方ないのでは」という視聴者の声も出ていた。
「撮り直し」にあたっては、多くの時間とお金がかかることも予想されるが、それでもなお撮り直すべきだったのだろうか?
『文春オンライン』では、「<緊急アンケート>沢尻エリカ逮捕の波紋 大河ドラマ『麒麟がくる』の撮り直しに賛成? 反対?」を実施。4日間で、投票総数799票、10代~80代までから幅広く回答が得られた。その結果を見ていこう。(なお#2では、元NHKで大河ドラマ『龍馬伝』の演出も手掛けた、映画監督の大友啓史氏に感想を聞いている)。
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「撮り直ししなくてよい」が半数超えの意外な結果に
両意見が拮抗するなかで、「撮り直ししなくてよい(反対)」(51.9%)が「撮り直しすべき(賛成)」(48.1%)を3.8%上回る結果となった。インターネットでは早々に「撮り直し検討」が報じられ、ネットニュースのコメントなどでもそれを支持する声が多かっただけに、意外に感じられる方も多いのではないだろうか。
では、多数派となった「反対」の具体的な意見を見ていく。
【撮り直ししなくてよい(反対)――415票】
やはり沢尻エリカ容疑者のファンの声も強かった。
「女優としては替えがきかない存在。沢尻エリカの濃姫が見たい」(29・女)
「記者会見での『沢尻エリカの集大成を見せたい』という涙の決意が印象的。薬物は絶対に駄目ですが、彼女が撮影に真摯に取り組んでいたことは確かだと思うので、見せてほしい」(51・男)
「沢尻さんの演技が好きなのでお蔵入りになるのは残念」(42・女)
その一方で、「作品には罪がない」という意見もやはり多かった。
「沢尻エリカさんの罪と女優としての演技は別で考えるべき。たとえ10話以降に俳優が替わってもストーリーは変わらないのだから問題ない」(34・女)
「沢尻エリカさんの犯罪は責められるべきだが、作品に携わったキャストやスタッフの苦労を考えるとやはり勿体ない」(71・男)
「過去に薬物で逮捕されていてテレビに出ている人はたくさんいる。作品と個人は切り離すべきで、責任の取り方は出演料を全額寄付してもらうなど、他の形でできると思う」(47・男)
そして「公共放送」であり、視聴者からの受信料で運営されているNHKならではの意見も。
「受信料を払っている側からしたら、撮り直しにかかる経費はどれくらいになるのか? と思ってしまう。無駄遣いはやめてほしい」(54・男)
「スポンサーがいないのだから気にする必要はない。被害者もいないわけだし、10話分についてはそのまま流してもいいのでは」(26・男)
では、NHKの決定を支持する格好となった「撮り直しすべき(賛成)」と答えた方々の意見はどうだろうか。こちらも具体的な意見を見ていこう。