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「桜を見る会」は“小事”か“天下の一大事”か問題 ヒントは11月13日の“あっさり中止”にあった

桜の木の下には何が埋まっている?

2019/11/29
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「本当にウィンウィンだったのか?」

 今しきりに言われているのは「本当にウィンウィンだったのか?」である。

「日米貿易協定 日本不利な可能性」とご丁寧に試算までしたのは朝日新聞だ(11月17日)。独自試算で出た関税削減額は「政府試算にはほど遠く」「日本の負けが際立つ試算結果だ」という。ま、まさか……。

 ここまで言われたなら具体的にどんな言葉で約束したかを公開すればいいと思うのだが都合悪いデータの「開示を拒んでいる」と書かれている。天敵・朝日にここまで言わせておいてよいのか。それとも本当にウィンウィンではなかったのだろうか。

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トランプ大統領 ©JMPA

 なら、保守派の新聞こそ政権に説明を求めるべきだ。

 なんせ国益に関することなのである。天下国家の一大事なのである。桜の説明ができないのにトランプ相手に交渉できるわけがない、桜を見る会の説明からやり直せ! と叱ればよいのである。これは保守派の新聞だからこそできることだ。

 リベラル派と言われる新聞にも問いたい。数年前からあなた達がしきりに警戒していたものが「桜を見る会」で実践されているが、まさかお忘れか。

「政府の恣意的な判断」を危惧していた朝日

 ためしに次の社説をあげる。「『安保法』訴訟 あぜんとする国の主張」(朝日新聞デジタル・2018年2月3日)

 安全保障関連法をめぐる訴訟について書いたものだ。

《首相が当初、象徴的な事例としてあげたホルムズ海峡の機雷除去も、審議の終盤には「現実問題として具体的に想定していない」と発言を一変させた。》

《存立危機自体の認定が、時の政府の恣意的な判断に委ねられている現状の危うさである。》

菅義偉官房長官 ©︎文藝春秋

 権力を持つ側の「恣意的な判断」を危惧していた。