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「桜を見る会」疑惑の“仕掛け人” 共産党・田村智子とは何者なのか?

26分間の国会質問がYouTube100万回再生

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田村 11月8日はテレビ中継が入っていましたし、言葉遣いを含めて「耳で聞いてもとにかく分かりやすい」ということは気をつけています。あとは“上から目線”にならない、けんか腰にはしないというところでしょうか。

26分間の質問がYouTube100万回再生

――田村議員の質問は26分間という長さですが、YouTubeでもかなり再生されています。

田村 共産党のチャンネルで24万回ほど、ほかに上がっているものを合わせると100万回を超えているようです(11月27日現在)。昨日新宿西口で街宣したら若い人が「桜の人だ」って指差して通り過ぎて行きました(笑)。拡散されているのを感じます。

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――YouTubeで11月8日の動画を見ました。まず、気がついたのは「いきなり本題に入る」というところです。質問が始まってすぐに「桜を見る会ですが安倍総理のもとで参加者数、支出額が激増しています」と。

田村 あらゆる政策で予算をあれほど超える支出というのは普通認められないんですよ。同じ内閣府の予算で性犯罪・性暴力被害者の『ワンストップ支援センター』が47都道府県に作られていて、それぞれに対して助成金も出している。でも今年は予算が足りなくなっちゃって、当初約束した額を渡せないと。

 あるいは国家公務員の方だって、残業代は予算の範囲内しか出ないのでサービス残業がいっぱいある。予算を抑えるためにそういうことが行なわれているのをたくさん見聞きしています。それなのに「桜を見る会」は予算(1767万円)の3倍支出している(5519万円、2019年)。これは有り得ない。私としてはそれが質問を準備しているときの怒りの出発点なんです。ですからその怒りから切り込むことにしたんです。

吉良よし子議員のパネルが分かりやすかった

――あと吉良よし子議員が、質問する隣で支出額やブログなどのパネルを出す役をやられていて分かりやすかったです。

質問を行なう田村議員の横で吉良よし子議員がパネルを掲げる ©AFLO

田村 通常、委員会の質問では紙の資料を出席者に配布するんです。ただ予算委員会のようにテレビが入るとき、パネルにすればNHKなどは寄ってくれますから。見ている方がより分かりやすくなる。

 じつはこれは先輩議員から受け継いだ日本共産党の伝統。今は当たり前になってきましたが、1970年代くらいから共産党ではパネルを作っていて。予算委員会の質問をするときにはまず「パネルどうする?」っていうのは職人的に考えながらやっています。

 今回も「どういうパネルにしたら分かりやすいのか」「棒グラフ、折れ線グラフの使い分けをどうするか」などの相談を国対メンバーと行ないました。

――それと「大事なポイントを2回読む」というのも気になりました。稲田朋美議員のブログを読み上げるさいに、「地元福井の後援会の皆様も」というところを2回読まれていましたね。