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田村 あれは最初さらっと読みすぎちゃって「あっ」と思って、もう1回言い直したんです。私は早口なところがありますから、ここはちゃんと伝えなきゃいけないというところは2回繰り返す。あとはスピードの緩急ですね。畳み掛けるところはバーッと速く、でもここがポイントで質問にも答えて欲しいというところはゆっくりめに、と心掛けています。

「加計学園のとき、YouTubeを意識し始めた」

――田村議員は2期目(2010年初当選)ですよね。そういうことは最初から意識できていたものなんでしょうか。

田村 そうですね……じつは加計学園問題も取り組んでいて、そのときにテレビ中継が入っていない委員会でもYouTubeで見て頂けているということが分かって。ですから「YouTubeで見てくれている方に分かりやすく」というのはその加計学園のときに意識が始まりましたね。2期目に入って余裕が出てきて、演出的な部分にも気が回るようになったかなと思います。

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――伝え方は大事だと。

田村 私も「なるほど」と思ったのはTwitterに「お酒飲みながら(国会中継を)見よう」という投稿があって。見ていて「これ面白いね」「気持ちがスカッとする」というのは結構重要なポイントだと思います。もちろん重いテーマのときはスカッとする質問にはならないんですけど。

――「桜を見る会」問題での安倍総理の反応はどう見ていますか。

田村 11月8日の予算委員会で私の前まではヤジも飛ばしていたのに、私が質問を始めた途端静かになって、総理に向けて質問しても応えない。痛いところをついたのだろうなと。11月15日のぶら下がり取材で「次の質問は?」と記者の質問に応えたのも異例でしたよね。私が注目しているのはそこでホテルとの関係についてばかり話し、「桜を見る会」本体についてはほとんど触れなかったこと。そこはやっぱり弱点なんだろうと思います。

 

「ジャパンライフ」元会長を誰が招待したのか?

――これからのポイントは?

田村 今週(11/25~)はマルチ商法を展開し破綻した「ジャパンライフ」元会長が招待を受けて、それを宣伝に悪用した件を追及しています。2014年にこの会社は行政指導を受けているのですが、そのあと2015年に「桜を見る会」に招待されている。

 しかも個人宛ではなくて、会社宛に送られた招待状だったんです。これまでは誰が招待したか分からなかったのですが、内閣府の資料から「受付票に書かれている番号」を発見しまして、どうやら総理、副総理や官房長官など推薦者ごとに番号が振られているらしい、と。「ジャパンライフ」の元会長は「60番」が振られていました。それが誰によって招待されたものなのかというのを国会でも探っていきます。

――最後に、田村議員とお話ししていて、国会答弁でもそうですが、声が通る印象を受けました。学生時代は混声合唱団に入っていたそうですね。

田村 そうです、小学4年生からずっと合唱をやっていました。発声法?はよく分かりませんけど、国会質問中も私のときはボリュームを落としますし(笑)。

 早稲田大学時代に学費値上げがいきなり発表されたことがきっかけで、共産党の学生活動を始めたのですが、一方で混声合唱団も続けていました。当時はバッハとか歌っていましたから。「ハンドマイクでの演説」と「合唱」を二足のわらじのように。ですから声が通るというのはよく言われますね。

写真(人物)=杉山拓也/文藝春秋

たむら・ともこ/参議院議員。1965年長野県小諸市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。2010年、参議院初当選。2016年4月党副委員長就任、7月再選。