恐ろしいことが暴露されつつある。

 先週の石原慎太郎の記者会見は歴史的だった。今月おこなわれる都議会の百条委員会では、さらに重大なことがわかりそう。

「え、3日の会見では豊洲移転の経緯を部下の責任にしただけではないか」という声もあるだろう。しかし、だからこそヤバかったと思う。ザワザワしてしまった。

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 だって、遂に「石原都知事にはリーダーシップが無かった」ことが暴かれはじめたのである。

 あのプライド高き石原慎太郎が皮肉にもそのことを自分で証明しつつある。こんな興味深いことはない。

都知事辞任会見時 ©文藝春秋

「読売新聞」が語る浜渦元副知事の偉大さ

 石原慎太郎のリーダーシップについて振り返るうえでのポイントは「百条委員会」だ。

 都議会で百条委員会が設置されるのは2005年以来だが、前回と今回はつながっている。

 前回の主役は「浜渦武生副知事」。今回も百条委員会に呼ばれる人物。あのときは何をやらかしたのか?

 浜渦副知事は"政敵"を追い落すため、彼らが不利になるような質問を民主党幹部に頼んだのだ。浜渦氏は「ヤラセはない」と主張したが、「偽証」と認定され副知事を辞職した。

都議会での浜渦副知事(当時) ©共同通信社

 当時の浜渦副知事がどれだけ偉大だったか。2005年5月30日の読売新聞を抜粋する。

《東京都の石原慎太郎知事の「懐刀」といわれる浜渦武生副知事が、都庁の人事や政策を独占しているとして、都議会が批判を強めている問題で、石原知事は浜渦副知事を含む6人の特別職が総辞職することで、事態の収拾をはかることを決めた》

《この背景には、「石原知事の威光を借りて都政を牛耳る」(自民幹部)とされる浜渦副知事への議会側の反発があり、石原知事も会見で、「私の管理責任」と側近政治の弊害を認めていた》

 ズバリ、浜渦副知事は「都庁の人事や政策を独占」「側近政治の弊害」と書かれている。さらに、当時の都政を検証したレポを紹介する。

《次第に周囲は浜渦に象徴される側近の暴政に付き従うイエスマンばかりとなり、石原都政は急激に独善化を強めた。そして今、最大の片腕を失ったことによって、ほとんどレームダック化してしまっている――》(青木理「検証・石原慎太郎」『現代』2007年4月号)

 石原都政はこの時点でレームダック化(死に体化)していると指摘されているのだ。