「こだまでしょうか」「みんなを好きに」など500余編の童謡を遺し、26歳で亡くなった詩人・金子みすゞ。その生涯を音楽朗読劇でたどる『ふたりの詩(うた)』が3月24日に三越劇場で公演される。矢崎節夫氏の『みんなを好きに――金子みすゞ物語』から、石井ふく子さんが潤色。朗読するのは藤田朋子さんだ。
「石井先生は、みすゞさんのドラマや舞台をこれまで何度も手掛けられ、また、みすゞさんのお嬢さまとは同い年で親しくお付き合いもされています。いまも推敲を繰り返し、脚本(ホン)をより良くしようとされているのは、先生のそうした深いかかわりが、この作品への思いを強いものにしているからなのだと思います」
劇は、みすゞの詩と出会った1人の女性の目から生涯を振り返るとともに、ときにみすゞの心情にも触れていく。そして、この世界観を音楽で広げるのが、アコーディオン奏者で夫の桑山哲也さんだ。
「私の朗読と主人の演奏とが互いに支え合いながら物語が紡がれていきます。みすゞさんの作品は人生のどんな場面で生まれたのか――、そういったお話になると思います。砂粒から草木、動物、そして人と、あらゆるものの眼で詠った詩にあるのは大きな愛です。これまでもいろいろなかたちで紹介されてきましたが、今回の音楽朗読劇では、お客様の目の前にどんな世界が現れるのか。一夜限りですが、劇場で感じていただけたら嬉しいですね」
音楽朗読劇『ふたりの詩』
3月24日 三越劇場/キャピタルヴィレッジ TEL 03-3478-9999
http://www.capital-village.co.jp/calendar/concert/2016122801.html