八十一歳のおばあちゃんが作ったアプリとして大注目なのが「hinadan」。ひな壇をモチーフにした内容で、ひな祭り前に公開された。
「お雛様やお内裏様、三人官女などを正しい位置に配置するゲーム。いにしえの京の都で雛人形が生まれた経緯も学べます」(利用者)
開発した若宮正子さんは元銀行勤務で六十歳の定年を機にパソコンに触れ始めたという。高齢者がほぼ独学でプログラムを習得し、アプリを開発したというニュースは海外メディアでも大きな話題に。
「年寄りにも楽しめるゲームを目指したと本人が言うとおり、人形の並び替えの操作の説明は“タップ”などのカタカナ用語は用いず“指で軽く「トン」とたたきます”といった文言を使用。シンプルな内容だが、正解すると鼓の音がポンと鳴る、ほのぼのとした雰囲気が良い」(同前)
実は若宮さんはネット界で知る人ぞ知る有名人。九九年に仲間とシニア向けの情報サイト「メロウ倶楽部」を立ち上げ「ネットと老後」をテーマに講演を行ったこともある。
今回のアプリは昨年夏に企画し、師と仰ぐエンジニアらの助言を得てわずか数ヶ月で完成させたとのこと。
「今後機能を向上させ、老人ホームなどに活用を提案してみたい」と若宮さんは言う。
【俺の評価】最近は小学生向けにアプリ開発を教える塾などもあるが、シニアが自分の発想でアプリ開発を行う事例はかなり珍しい。高齢者ならではのニーズを見事形にした、スーパークリエイターのさらなる活躍に期待したい。
●無料/対応OS:iOS/リリース元:Masako Wakamiya
英語も達者で趣味は海外旅行という若宮さん。旅の思い出を綴ったサイトも人気だ