Illustration 師岡とおる

 楽天が二月から開始した駐車場のシェアリングサービスが「ラクパ」。駐車場を探すドライバーらが専用アプリやウェブ経由で、事前に目的地付近の駐車場を予約できる。

「この分野では大阪のベンチャー企業『アキッパ』が先行し、全国約九千カ所の駐車場を確保している。知名度を武器に乗り込んだ後発の楽天が、どこまで追撃できるかが見ものです」(IT業界関係者)

 混み合う都市部や観光地、イベント会場の付近で、事前に駐車場を確保できるのがこのサービスの利点。駐車場のオーナーらには空いた土地を有効活用できるメリットも。

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「勝負を決めるのは登録駐車場の数ですが、オーナーへの売上還元率がアキッパの場合は六〇%。対する楽天は六五%と、わずかに楽天が上回っている」(同前)

二輪車用駐車場も

 ネット通販で国内トップの楽天だが、直近の決算では成長鈍化の懸念も浮上。社内の“英語公用語化”を掲げ海外進出を強化したが、昨年は欧州の事業拠点を閉鎖するなど苦戦が続いている。

 また、人気の個人間売買アプリ「メルカリ」を模倣した「ラクマ」を筆頭に、「最近の楽天は他社の真似ばかり」と揶揄する声もあがる。今年で創業二十周年を迎える楽天の今後を占う上でも、注目したいアプリと言えそうだ。

【俺の評価】支払いには通販や「楽天トラベル」のホテルやレンタカー予約で獲得したポイントを使用可能。全国約八千八百万人の会員をさらに“楽天経済圏”に囲い込む新たなツールにしたい楽天側の思惑も透けて見える。

●無料/対応OS:iOS、Android/リリース元:Rakuten, Inc.
予約は一日単位で可能。「楽天スーパーポイント」で決済できる点もアピール中