スクラムをコントロールする堀江さんの声を聞きながら
――しかし1本目のスクラムで反則を取られてしまいました。
具 ファーストスクラムでは、間合いがうまくとれずに、(スクラムを)回されてしまいました。でも、プレッシャーはさほど感じなかった。堀江(翔太)さんとも「相手は回してきているだけです。行けますね」と話していました。2本目からは安定したスクラムが組めていました。
そして前半35分。自陣22メートル付近でのスクラムでした。試合を左右する大事な局面です。アイルランドがもちろん押してくることは、みんなも分かっていた。だから日本代表のフォワード8人全員があのスクラムに賭けていました。
ぼくは、まずスクラムをコントロールする堀江さんの声を聞きながら、スクラムを回させないよう相手の1番を抑え込みました。耐えたあとは、一歩ずつ一歩ずつ前に出て行った。そうしたらアイルランドのスクラムが崩れて、きれいに割れた。そしてペナルティを奪うことができたんです。
何よりもよかったのは、8人全員が集中してスクラムを組めたこと。8人が1つの塊になって、全員の意志と力を1点に集中させて、プレッシャーをかけ、相手スクラムを分断していく……そんな理想のスクラムでした。
ぼく自身はもともとボールを持って独走トライをするよりも、スクラムに押し勝つことに快感を覚えるタイプです。スクラムでは、相手のプレッシャーに耐えて、耐えて、バランスを取って、押せるタイミングまでぐっとがまんして、一気に押す。その点でも自分の持ち味を出せたスクラムでしたね。
思わず出た「ガッツポーズ」
――その後のガッツポースは、W杯の名シーンになりましたね。
具 思わずです……。思わずガッツポーズが出てしまいました。いいスクラムを組めたとき、たまにガッツポーズが出るのですが、あんなに大きく出たのははじめてでした(苦笑)。
🌸#RWC2019 飛躍した選手特集🎌
— J SPORTSラグビー公式 (@jsports_rugby) November 13, 2019
🔶#具智元 選手🔷
スクラムの最前線で体を張り屈強な海外選手相手に戦いました👏
スコットランド戦では怪我による途中交代で涙を流す場面も😭
J SPORTSオンデマンドで全試合見逃し配信中🌟
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――それほど会心のスクラムだったんですね。具選手が目標とするプロップはいるんですか?
具 スクラムという点で言えば、昨年引退したウェールズのアダム・ジョーンズです。スクラムの姿勢は決してきれいじゃないんだけど、相手をつぶしてでも押し切ろうとする。力強いプレースタイルはすごいな、と。