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スクラムが、日本の武器になった
――決勝トーナメントの南アフリカ戦は、スクラムで劣勢に立たされているように見えました。南アフリカのスクラムは、いままでとは違いましたか?
具 前半はよかったのですが、後半にやられてしまいました。とくに後半から南アフリカのスクラムのヒットスピードが早くなった。その変化に対応できず、窮屈な姿勢になってしまって押し込まれてしまうケースが増えてしまいました。
9月6日の南アフリカとの壮行試合では互角に組めていましたので、自信があったのですが……。南アフリカは日本のスクラムを研究していたのかもしれません。
なかでも強かったのが、ビースト(南アフリカの1番テンダイ・ムタワリラの愛称)です。ビーストは押してやるという気迫が伝わってくるくらい足をかいてきた。強気のスクラムでしたね。
予選プールの4試合はスクラムで勝てた。でも、南アフリカ代表からは押し勝てなかった。それが試合の結果にもあらわれてしまいました。
――逆に言えば、スクラムで勝てていたからこそ、予選プールを突破できたということですね。
具 そう思います。スクラムが、日本の武器になった――。日本代表のチームメイトにも、メディアの方々にも、そう言っていただけました。努力が報われた気がして、とてもうれしかったですね。
(#3 なぜ日本のために? 韓国出身の具智元選手が語る「ONE TEAM」と「ラグビーW杯で日本の雰囲気が一気に変わった」に続く)
写真=末永裕樹/文藝春秋