旧宮家は北朝3代の崇光天皇がルーツで「皇室とは遠縁」
「旧宮家の子孫を皇族にするという案が、どれだけ国民の支持を得られるのかはここでは置いておくとして、安倍総理が本命視しているとされるのが旧東久邇宮家の子孫です。旧宮家はいずれも北朝3代の崇光天皇をルーツとしています。現在の皇室とは遠縁すぎることが欠点なのです。しかし、東久邇宮家は久邇宮家の第9王子だった稔彦(なるひこ)王が明治天皇の第9皇女だった聡子(としこ)内親王と結婚して創設されたものです。
安倍総理が本命視する「旧東久邇宮家の子孫」とは
また、その第1王子の盛厚(もりひろ)王は昭和天皇の第1皇女で上皇陛下のお姉さまに当たる成子(しげこ)内親王と結婚して3人の男子をもうけています。その子孫に複数の未婚の男子がいるというのです。女系の血縁ではありますが、親戚としては天皇家に近いうえに、稔彦王は終戦直後に第43代内閣総理大臣に就任しており、皇族としては憲政史上唯一の総理経験者です。11月20日に首相としての通算在職日数が桂太郎を抜いて憲政史上最長となった安倍総理が稔彦王にシンパシーを感じても、不思議ではないのです」(同前)
皇室の未来が安倍総理のシンパシーに左右されるのは、いかがなものかと思う向きもあるだろう。ただ、安倍総理が本命視しているのは間違いないようだ。では、安倍総理が描く旧東久邇宮家の子孫を皇族にするためのシナリオとはいったいどういったものなのだろうか。
「皇室には現在、独身の女性が天皇家の長女・愛子さま、眞子さま、秋篠宮家の次女・佳子さまの内親王お三方と、三笠宮家に籍を置かれている故寬仁さまの長女・彬子さま、次女の瑶子さま、高円宮家の長女・承子さまの女王お三方がいらっしゃいます。この方々とご結婚して、宮家を継承したり、新たな宮家を創設したりするという方法があります。女系天皇断固反対派にも女性宮家容認派にも受け入れやすいシナリオと言えるでしょう。ただ問題は、未婚の女性皇族にとってはパートナー探しの選択肢を限定されてしまうという点です。
ましてや小室さんとのご結婚に拘泥されている眞子さまにとっては、到底あり得ない選択肢ということになります。そうなると後継者のいない宮家に養子として迎え、時間をかけて皇族としての振る舞いを学んでもらい、いずれ宮家の当主となってもらうしかないでしょう。皇室に嫁ぐ民間人の女性のお妃教育と似たイメージです。民間人だった人にいきなり宮家を創設させて『あしたからあなたは宮家の当主です』と言っても、国民も本人も困惑するだけですから」(同前)