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池袋は「埼玉県の植民地」から脱却できるか? 文化都市へと変貌を遂げる街の“最大の弱点”

再開発事業で渋谷・新宿に並ぶ街へと羽ばたけるか

2019/12/17
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西口には「文化娯楽ゾーン」と「国際ビジネス交流拠点」も

 駅西口で開発準備がすすむ「池袋駅西口地区市街地再開発準備組合」には三菱地所、三菱地所レジデンスの2社が事業協力者として選定されている。この計画は駅西口の東武百貨店を含め開発面積4.5ヘクタールにも及ぶ大規模再開発で、高層ビル3棟や駅前広場の整備が掲げられている。

 また西池袋1丁目ではロサ会館を含めたエリアの再開発事業のための準備組合も設立。開発予定地の北側を文化娯楽ゾーン、南側を国際ビジネス交流拠点と位置づけ、20年春の都市計画決定を目指している。

©iStock.com

渋谷や新宿に並ぶ街へと羽ばたけるのか?

 官民挙げての再開発機運で盛り上がる池袋だが、いっぽうでどうしても渋谷や新宿のような街にはならないような気がしてしまうのは私だけだろうか。区が掲げるアートもカルチャーも池袋に持ち込むとなると、どこか猥雑なイメージを想起してしまう。オープンしたHareza池袋周辺を歩き、中池袋公園を訪れても、公園の周辺はラブホテルや風俗店の看板が目につく。

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 渋谷にオープンした高層ビルにはグーグルやミクシィ、サイバーエージェントなどの高感度テナントの名が並ぶが、ハレザタワーは開業が半年後に迫る中、ネットサイトではいまだに10フロア5000坪程度の床を募集している。今後も駅西口に高層ビルが建設されるというが、テナント像がイメージしづらいのが実感だ。

『翔んで埼玉』の植民地、池袋がどのようにして羽ばたくのか目が離せない。

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